beatmaniaIIDX 15 DJ TROOPERS


"TRIBAL" 2 tribe 4 K / Remo-con
 公式サイトによると曲名は「to tribe for KONAMI」の略らしい。トライバル系の楽曲 はIIDXでは少なく、5鍵beatmaniaで多いイメージがあるためか、5鍵からのプレーヤーに とっては懐かしさを感じるのではないだろうか。打楽器を中心とした構成で、ブラス系の フレーズとそれに続く「カモンカモンカモンカモンイェイ」の声ネタが印象に残る。ムービーは 鉛筆で落書きしたような絵柄で、謎のストーリーや登場人物が妙な味を出している。
 Lincleで復活した際、全譜面が変更されている。HYPERは全体的に変則的なリズムで 音は聞き取りやすいが目押し寄りになるだろう。16分ドラム乱打は同色階段になっており、 ラストには微ズレあり。難所はそのラスト直前の高密度部分か。ANOTHERはCS DJTの いわゆる黒ANOTHER(一部変更あり)となっており、非常に詰め込み譜面。ラストの左右に 分けられた隣接トリル等がBADハマりを引き起こしやすく、ラス殺しと言えよう。

"HARD RENAISSANCE" Anisakis -somatic mutation type "Forza"- / 朱雀
 アニサキスとは寄生虫の一種。アニサキスにかかったVANESSA伯爵の物凄い形相の出力アニメは 一度見たら忘れないだろう。同じ朱雀名義だったこれまでの2曲はいずれもEXTRA曲だったが、 この曲は通常曲扱いだった。それはともかくとして、8分で奏でられるピアノの旋律は美しく、 加えて16分シンセの激しさがあるという構成になっている。中盤のブレイクでは、以前の2曲を 思い出させるようなピアノフレーズや3連符のリズムが組み込まれている。
 8分同色同時押しと、16分階段の2パターンが目立つ譜面。8分は単純に見えるが、bpmが かなり速いのでゆっくり叩いていられない。それ以上に階段が難しく、繰り返しを覚えて弾き やすい指遣いを身につけよう。ラストはスクラッチが加わるのも難しい。ANOTHERは他の朱雀曲と 比べるとクリアしやすいが、NOTE数は一番多い体力譜面である。前半の3つ同時押し地帯は 慣れればスコアの稼ぎどころなので光らせるよう狙いたい。DP HYPERは終盤に同色階段の連続が 多くあり、速さも加味して★10では上位に位置するだろう。

"CLASSICAL PIANO SOLO" avant-guerre / Osamu Kubota
 「アバンゲール」と読み、フランス語で「戦前」を意味する曲名。革命とか蠍火とか、ピアノを メインとした楽曲は数あり、鍵盤を使うゲームとはいえDJシミュレーションとはちょっと違う な……と度々思ってしまうことがあったが、この曲ではついにピアノオンリーとなってしまった。 ピアノ曲の提供が多い久保田修氏らしいこだわりが感じられる。音色の強弱がはっきり分かるのも この曲を置いて他にはないだろう。ムービーではご本人の演奏風景が堪能できるぞ。
 こだわりは譜面にも現れており、スクラッチが一切現れない鍵盤だけの構成になっている。全体的 にズレが多そうに感じられるが、12分と16分が入り混じっているところがあるだけで、実は整然と していたりする。同色階段が多く、特に終盤の16分⇒24分地帯は象徴的。その後冒頭のモチーフに 戻る時、bpmが元の速さに戻るので注意しよう。ANOTHERは最初・最後のモチーフが2重になって いたり、全体的にも音数が増えてどのパートを弾いているのかわからないほどになっていたり する。16分⇒24分地帯はオブジェ数は同じだが、変に折り返していて微妙に繋ぎにくい。DPは その部分に関しては、ANOTHERよりHYPERの方が難しいと思われる。

"EUROBEAT" Be OK / good-cool ft. Florence
 123456Do it!!曲その1。今作はY&Co.がネタ曲に走ったため、というわけでもない が、good-coolが今作のEUROBEAT要員。イントロがYESTERDAYに似たようなフレーズと声ネタ だが、16分シンセを多用したアップテンポナンバーで、タムロールやブレイク部分でBlameなどを 思い出させるgood-cool節が聞ける。曲中でサビが2回流れるのが最近のEUROBEATだが、 この曲は1回だけで、間奏の後はCメロ→メインフレーズで締め、となっているのが特徴か。
 メインフレーズは小節の後半が階段になっており、同色階段の方が割合が多いが、隣接階段+4 打ちはミスが出やすい箇所。テンポが速いのも難点だが繰り返しが多いため、指使いを覚えるのも いいだろう。ANOTHERは16分パートが一気に増えたり、階段だけだったところにバスドラ連打が 増えたりしている。特にラストは1鍵連打でBADハマリの危険が大きい。またDP HYPERは★9だが、 片側に同色階段が寄った配置ばかりとなっており、詐欺とも言われている。

"TECH-TRONIKA" beatonic nation / Sota Fujimori
 曲名とジャンル名を間違えやすいが、beat"o"nic nation、TECH-TRONI"K"Aである。 曲名はIIDXレギュラー陣で構成される「beatnation」と、音楽用語で主音を示す、あるいは元気 付けるといった意味の「tonic」を合わせた造語で、後半の4打ちベースのリズムとフレーズが 楽しく元気が出るような曲調であるが、同作曲者のDDR用楽曲"Star Gate Heaven(FUTURE LOVE Mix)"のフレーズが裏で流れている。前半は細かい音をメインとした少しサイケ デリックな展開も見られる。
 前半は16分階段が多く、このテンポでの4打ち+16分は★8にしては難しい。ただ中盤から後半 にかけては8分メインの2〜3同時押しが長々と続き、慣れれば回復しやすい。ANOTHERは前半 の16分地帯にスクラッチが加わったりと密度が高くなって、HARDオプションは危険。やはり後半回復 なのだが、HYPERよりもオブジェが減っている地帯があったりする。同時押しのところで2〜3連続 スクラッチが増えており、そこでミスしやすいので注意。ちなみにDP HYPERは後半の同時押しの 回復度合いが顕著なためか、NOTE数999は★7では現収録中最多である。

"TRANCE" Blue Rain / dj TAKA VS Ryu☆
 dj TAKAファーストアルバム「milestone」で発表された時点で、DJ TROOPERSに収録が決定 されていた、dj TAKAとRyu☆というありそうでなかったユニット曲。dj TAKAとのユニット曲 はTRANCEになることが多くこの曲でもそうなったが、シンセ音とボーカルの響きを前面に出した、 シンプルだが美しい曲になっている。Ryu☆としては初めてのTRANCE(≠TRANCE CORE)だが、 シンセの使い方は得意なもの。終盤で半音階的に下がるのはFrozen Rayを思い出させる。
 前半に16分の幅の広い階段が繰り返しあり、メインフレーズでは右手が同色同時押しを常に叩く という譜面になっている。そこは叩きやすいのだが、終盤は同時押しが中央にくるため、両手に 分かれて叩くようになり、他の4打ちなどの部分とリズムが違うのでやや叩きづらく感じる だろう。ANOTHERは中盤にquaserよりも密度の高い(ただしbpmは遅い)2重16分が4小節も続き、 ここでゲージを空にする人が続出だろう。そこからの回復も狙えるが、終盤にも16分乱打を基本と する密集地帯があるためゲージを増やすのは容易くない。ちなみにロケテストでの終盤の譜面は 今よりもっとひどかった(カゴノトリみたいに8分縦連打が追加されている)。

"J-R&B" Darling my LUV / DJ Yoshitaka feat.B-Agents
 スクラッチ音を多用したR&Bということで、今作の収録曲の中ではDJシミュレーションに 相応しい曲の1つに思えるが、IIDXオリジナルではなくギタドラV4からの移植曲だったりする。 イントロからAメロあたりまでは暗い曲調が、サビには少し明るくなっており、聞いていくに つれて元気が出るような効果を出している。IIDXでは家庭用HAPPY SKYのEndless Summer Storyに 引き続き、DJ Yoshitakaの歌声も聴くことができる。
 16分連続スクラッチが度々あり、それだけならまだしも鍵盤と絡んでくるとミスがでやすい。 片手鍵盤・片手スクラッチを心がけるようにすれば、テンポが遅いのでとりやすくなるはず。 サビは16分スクラッチはないものの、8分スクラッチ+階段が4小節ごとに出てくる。 これを片手・片手でやるには、2P側が若干不利だろう。ANOTHERになってもその部分の 難度はさほど変わらないが、サビの他の部分で同時押し+スクラッチな配置が増えており、 全体的に均等な技術が問われる譜面になっている。

"HANDZ UP" Dazzlin' Darlin / HHH
 ムービー担当にVJ Halkaを加えた、Ryu☆率いるHHH(Hの一つは博多?)。名義的にはSo Fabulous !!の続編に思えるが、バスドラを逆再生したような音や低音ベースなどは前作の人気 曲・Second Heavenに近いものがある。どちらにしろ同系ジャンル・同bpmではあるが。Second Heavenのように短いフレーズでの歌が入っているが、再生される長さがこちらの方が長いためか、 歌モノとしてのイメージがあるかもしれない。それを吹き飛ばすのが、全編ワンマンショー のDaiダンス。Daiムービーではよく種類の服装が交互に現れるという手法が取られている。
 メインフレーズは付点8分が入るためそこは16分混じりとなるが、基本的に8分が多い譜面。 中盤と終盤に2つ同時押しが長々続くのはSecond Heavenでもあった。こちらはほとんどが 同色鍵盤のため、スクラッチに気をつければ叩きやすいはず。ANOTHERはバスドラが 追加され3〜4つ同時押しが連続する。終盤の隣接同時押しを見切るのは厄介だが、同難易度 のSo Fabulous !!と比べるとトリルや連続スクラッチがないので、フルコンを狙えるほど こちらの方が簡単である。

"TECH-BREAKBEATS" Digitank System / DJ Mass MAD Izm*
 前作"Watch out!!"のMAD Sequence*のメンバーの一人、DJ Massによる曲。延々と4打ちと 低音のフレーズとベースが流れるミニマルな展開の一方、激しいスクラッチ音が流れる。前作は まだHIP HOPとして曲らしさがあったが、こちらはゲーム性を重視して作られたと思わざるを 得ない。それでもストイックな曲調が好きな人ならばこれを聞いてノれることもあるだろう。 規則的なリズムが戦車と兵隊の行進をイメージさせるといえばそうかもしれない。
 HYPERの時点でWatch out!!に匹敵するスクラッチ枚数。鍵盤パートは同時押しが多いが、 この曲に挑戦するにはここを問題としてはならない。スクラッチは16分より細かい間隔では 配置されていないので、頭の中でリズムを刻むのはWatch out!!やCHECKING YOU OUT等よりは 簡単だろう。それでも一度BADハマリすると地獄を見る。ANOTHERはシリーズ最多の264枚の スクラッチ。後半のスクラッチ地帯には16分の鍵盤が追加されていて、リズムを崩されやすい。 最後の数小節で回復が間に合うようにミスを減らしたい。DPはスクラッチも難しいが、 片手での3〜4つ同時押しのスキルも必要となっている。

"N-BEATS" Do it!! Do it!! / Kraken
 123456Do it!!曲その3。573コンボ丁度を出すことで出現するMILITARY SPLASH後半戦の この曲は、Ryu☆作曲。Time to Airに続いて同シリーズ2曲目のEXTRA曲となるが、メロディ ラインを排除したRyu☆らしからぬ曲。曲名の通り「Do it!!」の声ネタを連呼させている。 中盤の静かになったところで遠くに鳥の鳴き声が聞こえたり、オーケストラで一斉に楽器を 鳴らしたような演出は、海を舞台とした映画のワンシーンをイメージさせるかのようだ。
 テンポの速さもさることながら、8分交互が長々続くため、ズレなければモリモリ回復するが 一度ズレると一気にゲージを失うという天国と地獄の譜面。ANOTHERは8分階段や連続 スクラッチなど配置がガラッと変わった箇所も多く、テンポの速さからも★12はあるんじゃ ないかと思いがち。でもbpm300の曲も多くなってきたことだし、HSを適切に調整すれば 見やすい譜面だと思えるはずだ。ただDP ANOTHERは後半に8分縦連打+裏打ちが片側に 来るなど連打の多い配置をしており、これは★12はあるんじゃないかと。
 AC EMPRESSにてDP ANOTHERの譜面が変更、8分縦連打だった4小節が同色鍵盤交互打ちになり、 実質難易度は下がった。しかし難易度の数値はDJ TROOPERSの★11から★12へあがっている。 前作はどれだけ詐欺だったことか……

"FRENZY HOUSE" end of world / 猫叉Master+
 ロケテで登場したこちらの曲が初出だが、CS DistorteDのInfinite caveと同様、 猫叉Master"+"名義。同作で収録されたsatellite020712と同じく、ベースを強調したダーク 一辺倒の曲調だ。曲名からもそのイメージは伝わってくるが、このアップテンポさは予想外? FRENZY=熱狂、興奮といった意味で、HOUSEとついたジャンルの曲の中ではかなり高速。4打ちが 基本ではあるもののドラムのリズムはテクノやドラムンベースのような激しさがある。
 4打ち+16分乱打の後、8分の2つ同時押しがやってくるというパターンが特徴。前半で 減らしたゲージを後半の同時押しで回復しよう。終盤は毎小節スクラッチが加わる上、ラストは ドラムロールになっている典型的ラス殺し譜面。ただわかっていれば同時押しして抜け やすい。ANOTHERは右側に裏打ちが加わった分他のオブジェが左側に寄っており、左手が弱いと 苦しい全体的に高密度になっている。DP HYPERはSP HYPERの分割なのだが、ラストのトリルの 分割が曲者。道中も4打ちが残っている側は密度が高めで叩きづらいぞ。

"PROG" evergreen / kors k
 DJ TROOPERSの「戦い」というテーマではなく、イメージカラーから攻めた曲。といってもDJ TROOPERS以前に作曲されたらしいので偶然だが。kors kといえば哀愁系がお得意だが、この曲は 哀愁というよりは懐かしさを思い浮かばせるメロディだ。後半の繰り返されるフレーズが印象的 だが、前半は全体的に音が小さくゲームセンターでは聞こえづらいのが難点。サントラで じっくり聴きたい1曲。evergreen(常緑)なのに紅葉が出てくる?ムービーだが、実写の緑が ある風景は見入る。
 普通の16分もあるのだが、大抵は微妙に跳ねたリズム(ラクエンと同じくらい)になっている。 また後半からはtraces(remix)であったような32分の>字がほぼ毎小節登場し、ミスを誘う。ラスト も左に寄ったバスドラトリルがあり、クリアもスコアも難しい譜面だ。ANOTHERは前半に何の音か 聞こえづらいが交互乱打があるのが目立つが、そこは回復どころ。終盤は無理矢理オブジェを 詰め込んだ上に>字もあるので、徐々にゲージを削られていくことだろう。

"JUNGLE" four pieces of heaven / Lion
 Lion Musashi名義の曲、あるいは曲名に"lion"が付く曲をクリアすることで出現するMILITARY SPLASH後半戦の曲は、Lion Musashiと関連あるように正体はdj TAKA。前半はG2のような ドラムと低音シンセしか聞こえないストイックな曲調だが、中盤でテンポダウンして ピアノが入り、それまでと全然違う穏やかな雰囲気に。そして加速し、爽やかな感じのシンセ アルペジオで締めている、変化が激しい曲である。ミスするとライオンの顔が画面いっぱいに 近づいてくるので注意(笑)。
 HYPER前半は、16分乱打メインで4小節ごとにスクラッチの連続があり、そこでミスを抑える ことが課題となる。中盤低速地帯は確実に回復し、終盤の右上がりの繰り返しが多い階段で どれだけゲージを残せられるか。スクラッチが度々入るのも辛いが、休みながないので 集中力を続かせるのも大事。ANOTHERは前半の鍵盤+スクラッチの部分がひどいことになり、 終盤はドラムパートが増えて、A(A)のような密度に。連続スクラッチがある分こちらの方が 難しいだろう。間違いなく★11最強クラスの譜面だ。

"TRANCE" Freeway Shuffle / dj TAKA
 dj TAKAがDDR用におそらく初めて書き下ろした、SUPER NOVA2から移植のポップ なTRANCE曲。DDR用ということで若干曲調が短いのが残念だが、全体的に明るい軽快な曲調で、 ムービーとも合わせて高速道路を颯爽と走っていくイメージが思い浮かばれる。中盤にピアノの フレーズが入る辺り、同作曲者のLESSON 5に近いものがある。高音シンセのフレーズを聞いて、 何かクラシック曲を思い出しそうなのだが、これもクラシックリミックス曲の多いTAKA節という ことなのだろうか。
 全体的に階段譜面。一部スクラッチが裏拍子に割り込んでくるのが厄介だが、HYPERは同色 階段が多めなので叩きやすいはずだ。曲名と裏腹にシャッフルのリズムじゃないと言いつつも、 微妙にズレがあったりする。でも大抵は無視していいレベル。最後のトリルも短いので落ち 着けばミスも少なくできる。ANOTHERは4打ち追加に加え、後半のピアノパートが同時押しも増え 密度が高くなっている。ただその後の難易度を考えると、★10の中では簡単な方だと思われるの だが、それは曲が短いためNOTE数が少ないことからの錯覚かも。

"NU-SKOOL BREAKBEATS HARDCORE" ICARUS / Eagle
 123456Do it!!曲その2。SKYが付く曲、HAPPY SKYの曲を多数プレイすることで出現 するMILITARY SPLASH後半戦のこの曲は、kors k作曲。MILITARY SPLASH全体を見ても唯一、 またkors k曲でも珍しい、爽やかにシンセが鳴る明るい曲調だ。中盤で一旦テンポが下がり、 段々と加速して最終的には倍ほどになるという展開は、地表から天空へ一気に昇っていく ロケットをイメージさせる。もっともここはゲーム性を重視したというだけかもしれないが。
 中盤の「冥の加速」をさらに強めたのに目を向けがちだが、クリアだけなら序盤・終盤の パターンをしっかり取って、加速地帯でいくらか残せば大丈夫。bpm200を超えるトリルは 分かっていても追いつかないことが多いので、できる限りの速さで連打しよう。ANOTHERは加速 地帯の密度が増えているが、流石に冥ほどでもなく、同時押しで抜けられるのでゲージを幾分か 残せる。そこから最後までは回復でき、MS後半四天王唯一の★12とはいえ、four pieces〜より はクリアしやすいだろう。それでもHARDの難度はかなりのものだが。

"TRANCE" I'm In Love Again-DJ YOSHITAKA REMIX- / Remixed by DJ YOSHITAKA
 dj TAKAファーストアルバム「milestone」より収録。原曲はY&Co.にもEUROリミックス されており、IIDX初出の曲で、IIDX内で2回リミックスされたものがゲーム収録されるのはI'm In Love Againが初めてである(5鍵を含めればもっとあるが)。SPRING RAINと繋いでDJ気分を 味わえるというコンセプトのためか、前半は短調で単音のピアノが響く、SPRING RAINに 似た曲調になっている。後半はボーカルが入るため明るくなり、EURO TRANCEっぽい感じに。
 HYPER譜面は左右の手の担当がはっきり分かれて見える。繰り返しが多いのだが、ウラウラの 配置が多いため、リズムを覚えるまでは叩きづらい印象を受ける。後半からは隣接階段の連続が 度々現れ、ラストにもあるので確実に拾えるようになりたい。ANOTHERになるとその階段が 2重になっており、スクラッチも増えていて非常に難しく見える。ただこれもワンパターン なので、指使いを丸暗記すればある程度ゲージを抑えられる。まずはラスト前で100%まで 回復できるようになろう。
 CS DJ TROOPERSで、版権でないにもかかわらず収録されないということが決まった。理由は 不明だが、AC公式ページの曲紹介では、「事情によりサミットで使えなかった」とあり、 これと同じ理由ではないかと推測される。

"HAPPY HARDCORE" in the Sky / Ryu☆
 HAPPY SKYという名が付いていながら、ACではお得意のHAPPY HARDCORE曲を作らな かったRyu☆が、家庭用にて書き下ろし曲を提供。曲調としては静と動がある展開も含めてAGEHAに 似ている。静かになったところでバスドラだけが鳴るというのも特徴。かすかなにin the Skyと 聞こえる声は、Harmony and Lovelyでも「Sky」と言ってるように聞こえる部分があるが、 そこから入れようと考えたのだろうか。ムービーはパロディウスシリーズのこいつと、 トランを融合したような全身青で頭でっかちの人型がずっと走っているというもの。
 譜面は基本8分だが、16分のトリルや交互乱打も固まっている。シンバルスクラッチも 連続して出て来、特にラストはバスドラと同時に鳴ってさらにメロディ部分も。 ここは1Pが有利な譜面だろう。ANOTHERになるとメロディ部分が3つ同時押しになり、 この有利不利は更に顕著になる。ここだけでクリアできない人も多いだろうが、クリアできる 人には★11の青龍(A)よりも簡単に思えるだろう。★12では一番AAAが狙いやすい。DPはHYPERの 時点で、R5(A)の終盤のような3つ同時押しが左右交互に来る配置になっており、 変則的な指遣いが必要とされる。
 AC DJ TROOPERSに収録された際は、譜面は同じだがSP HYPER・ANOTHER共に難易度が1つずつ 下がっている。ANOTHERはまだわからないでもないが、HYPERは★9とは少し詐欺気味では ないだろうか。

"THE WORLD GROOVE" JOURNEY TO "FANTASICA" (IIDX LIMITED) / S.S.D.FANTASICA feat.EMI with ARATA
 民族的音楽で攻めるS.S.D.FANTASICA名義の、テーマソングの位置づけとなる今回の曲。 外国の雰囲気に合わせてボーカルも英語、かと思いきやのいつもと同じく日本語歌詞で、 曲のイメージは伝わりやすい。今作は「THE TROOPER'S JOURNEY」の企画があったように、 「戦い」というテーマだけでなく「旅」という隠れたテーマがあると思われ、それに一番 合った曲とも考えられる。そもそもFANTASICAシリーズは旅がテーマなわけだが。
 bpm260という高速、6/4拍子という変則的リズムの両方に慣れねばならない。HYPERは ほとんど8分でズレも少ないので、bpm130の16分と考えれば気が楽になるか。配置には 規則性があるものの、リズムに慣れるまでは目押しに頼るしかないだろう。ANOTHERは16分が 増えるため、全体的にズレが多く見えることになる。同時押しも増えているが、一番の難所は ラスト、妙な間隔で音も聞こえづらい縦連打があるため、BADハマリの危険大。DPに なるとNORMALを含め全譜面にこの縦連打がある。

"E-DANCE POP" Kick Out 仮面 / 上野圭市(aka. Babyweapon,DJ SWAMI)feat.星野奏子
 上野圭市氏の曲でこんなネタ曲が出来上がるとはと思うが、星野奏子ならまだ納得できるのは なぜだろうか。これまた一昔前の古いアニメのテーマ曲みたいな作りをしており、歌詞が 変なのはもちろんセリフまで入っていたりする。ムービーではKick Out 仮面らしき全身タイツの 人が登場するが、Kick Outと亀甲をかけて亀甲柄のタイツである。見た目は女性に見えるのだが、 星野奏子曰くKick Out 仮面とは「都合のいい時だけ現れる男の人」(公式携帯サイト: 極めろ!!IIDX道-ANOTHER beat-より)らしい。
 サビになると16分階段が多発する。叩いているのもよく聞こえづらい音なので、 目押しになることだろう。他のパートでは大方が8分譜面なので、ここを十分に回復に 使いたい。ANOTHERは階段中に他のオブジェが増えるのも難所だが、3〜4つ同時押しも 目立っている。ここで光らせることができれば高スコアも狙え、面白い譜面と思えるだろう。 ちなみに2回目のサビの終わり、NORMAL/HYPERでは「仮面」を1回しか言わないのに 対して、ANOTHERでは4回繰り返していると微妙な変化がある。

"HAPPY HARDCORE" LOVELY STORM / L.E.D.-G
 家庭用HAPPY SKYでLOVE IS DREAMINESSのANOTHERとして収録されていた変化曲が、 独立曲としてACに逆移植され、長ったらしいサブタイトルは無くなった。ちなみにCS GOLDにも 収録予定である。HAPPY HARDCOREといえばLOVE IS DREAMINESSしかり、ピアノが入っている ものが多いが、この曲はシンセオンリーで作られているのが特徴とも言える。中盤に16分での シンセパートがメインフレーズな感じがして、終盤の8分が逆に大人しく聴こえてしまう のだが、聴いていて元気になる楽しい曲だ。
 序盤と終盤は8分譜面、中盤は16分譜面という大まかな構成となっている。8分パート はHYPERでも2つ同時押しが長々続くのを余裕を持って拾っていくくらいは必要。16分パートは 交互配置っぽいのが多いがテンポも速いので早めに叩くよう心がけよう。ANOTHERは家庭用と 同じだが、難易度が下げられており、★10中では難しい方となる。中盤16分パートもさること ながら終盤にも16分が追加されており、ラストは1鍵連打が長々続くのでBADハマリも注意せねば ならない。DPは終盤だけ見るとANOTHERの方が簡単にも見えるが……

"PROGRESSIVE HOUSE" madrugada / PINK PONG
 「夜明け」を表すタイトル通り、静かに始まって後半に盛り上がる展開を見せる。 5鍵beatmania時代を含め、PINK PONG曲で初めてのTRANCE以外の曲となる。とはいえ後半の 細かい音符でピコピコ鳴るシンセ音は、いつものPINK PONGらしさが窺える。曲の前半は静かな ところに響く小さな音色を楽しもう。ムービーは切り絵のような白黒の世界から、だんだんと 夜が明けていくように明るくなっていく、曲名にも雰囲気にも合った良作。
 前半は24分程度のズレが多く見られる。パターンは決まっているので、ここはズレがある というのを覚えていこう。後半は16分乱打の嵐で、左から右への小さい階段の繰り返しに なっている。bpmは速くないが、この難易度で途切れなく繋いでいくのはやや難し目か。ANOTHERは 前半の詰め込み具合でズレがより目立ち、後半は4打ちが加わった分階段が右側に寄り、右手が 窮屈に感じる譜面になっている。またDP ANOTHERの後半は階段の分割が変に寄っていたり、 ラストの鍵盤数がSP以上になっていたりと、★10の中でも難関だ。

"LOVELY BUCHIAGE POP" MAX LOVE / DJ YOSHITAKA feat.星野奏子
 星野奏子がライブでHIGH SCHOOL LOVEを歌い、それを気に入って似たような曲を歌いたい、 と希望してできたのがこの曲。とはいえHSLのボーカルがちょっと大人っぽかったのを考えると、 可愛らしい声ネタを多用しているあたりLOVE♥SHINEやHONEY♂PUNCHに近いと言えよう。 間奏でのDJ YOSHITAKAの「TOMOちーん!」(ほっしーとも聞こえるがそうではない)の叫び声 の後、TOMOSUKEによるピアノ演奏が入る。テンポの割に音符の長いボーカルラインのせいか、 曲に対するサビの割合が大きく、曲自体も新曲の中でもずいぶん長い方である。
 曲の長さによるところが大きいが、SP HYPERは★8で最多NOTE数となっている。全体的に 同時押しが多く、テンポも速いため典型的な体力譜面だ。間奏に階段が集中しているが、 同色階段がほとんどだしその後のパートも長いので大した影響はないだろう。同時押し中に 所々現れる24分の<字配置は分かっていてもミスが出やすいので、早めに叩き出すことで対処 しよう。ANOTHERは24分の配置が階段みたいになっていたりしているが、全体的にNOTE数が増えて いるのでクリアには支障ない。ただ間奏の階段パートに裏打ちスクラッチが長々と追加されて いたりと、全体的にスクラッチが難度を上げているように感じられる。

"IRREGULAR HI-BREAK" MENDES / Humanoid
 MILITARY SPLASH真のONE MORE EXTRA曲は、DJ YOSHITAKA作曲。中盤で女性の声が入る あたりはCaptivAteを思い浮かばせ、予想は付きやすかっただろう。序盤・中盤・終盤と 曲のフレーズは全く分けられているが、全編通してピアノ音が使われているのが特徴。 ジャンルにイレギュラーとあるように、3/4や11/8などの変拍子を取り入れており、 特に11/8拍子という変則的なリズムは不気味さを作り出している。ピアノ中心と最終ボスの イメージから嘆きの樹に近いものがある。
 HYPERから前半に16分+4打ち+裏打ちが長々続く高密度の譜面が降ってくる。前半の 難所は11/8拍子部分、右側の16分階段とスクラッチの連続で、特に2P側は右側に偏っている ためより辛く感じるだろう。中盤は同時押しが多いものの十分に回復できるが、終盤の 同時押し+隣接階段の連続でゲージを保つのは難しい。ANOTHERは前半から2重16分螺旋配置、 変拍子部分も同時押し要素が増えている。中盤はやはり回復地帯となるのだが、それも終盤で 一気に空になるだろう。16分階段の隙間に2〜3つ同時押しを詰め込むような配置で、 一つミスすると建て直しは不能。まさにボス曲だ。
 CS DJ TROOPERSにて、ANOTHERよりもさらに難しい譜面(通称"黒ANOTHER")が登場した。 そのほとんどが★12、それも最上位クラスばかり。その中でも一番難しいのがMENDESで、 前半は詰め込みすぎたせいで二重16分が2連打の連続に、後半はスクラッチを含めた 全押しもある、5つ同時押し以上が連続するもはや「絨毯」のような譜面。そのNOTE数は、 卑弥呼を超える2626にもなる。

"HARD HOP" MENTAL MELTDOWN / GUHROOVY fw.TECHNORCH
 ジャンルはハード"ポ"ップではなくハード"ホ"ップ。TRIP HOPをHARDにした感じらしい。 GOLDに引き続きDJ TECHNORCHの参戦(今回はなぜか名義にDJが付かない)、最近のIIDXでの コア寄り要員になりつつある。声ネタが多いのが特徴で、前作のMETALLIC MINDに近い音源と 雰囲気をもち、曲名も同じ頭文字がMMになっている。終盤の16分シンセやその前の ブレイクなどはKAMAITACHIに似たところがある。
 HYPERは★9で最多NOTE数となる。変則的なリズムに加えスクラッチも多めで、中盤は3連符が 混ざったり連続スクラッチがあったり。特に交互連打からのトリル+16分スクラッチ×9は 非常にとり難い。終盤は16分乱打に混ざるスクラッチが取れるかが鍵となる。ANOTHERも★10で 最多NOTE数。なんといっても白鍵全押し×9が圧巻で、HARDクリアは★10最難クラス。その前の 3連符の同時押し連打+スクラッチも難しい。ノーマルクリアなら終盤繋げれば大分回復 できるということで★10なのだろうが、それでも次回作昇格候補だろう。

"ONLY ONE EURO BEAT" NEW GENERATION -もう、お前しか見えない- / SUPER STAR 満-MITSURU-
 謎のニューカマー、SUPER STAR 満。インストのEURO BEATとはIIDXでは珍しい。しかし完全に 声無しではなく、冒頭の「I Love You」、ブレイクの「もう、お前しか見えない」の渋い声が ある意味この曲の最大のウリである。それを除けば、16分のシンセフレーズや裏打ちベース など、EURO BEATの基本に準じた正統派な曲である。1度目のシンセフレーズが終わった後の 間奏みたいなパートが、3rd styleの「TAKE ON ME」の終盤に聴こえるという賛同者は いないものか。
 トリルあり、同時押し+スクラッチの連続ありといろんな要素を含んだ譜面だが、メインは やっぱり16分階段。bpmも他のEURO曲(150〜160)に比べて少しだけ速いので階段が一番難しく 感じるだろう。終盤では同色階段だが24分も登場し、その前後で取り損ないをしやすい だろう。ANOTHERは「もう、お前しか見えない」の前のトリル地帯が非常に難しくなっている他、 シンセパートのラストは16分+バスドラ+スクラッチというNIGHT OF FIRE(A)を思い出させる 配置。そこまでに十分に回復できるようにしたい。またDP ANOTHERでは、24分階段が123456の 配置で片側にくるので、滑らせかベチャ押しを強要させるようになっている。その他は片手でも 比較的弾きやすい配置なのだが。

"ENERGETIC TRANCE" Now and Forever / StripE vs MUNETICA feat.ARISA
 MUNETICAによるコンピレーションアルバム「ENERGETIC TRANCE」シリーズ。それに収録されて いるわけではなく書き下ろし曲だが、ジャンル名もその通りとなった。曲の前半部分は アルバムに参加しているStripEの「FIRE FIRE」を思い出させるメロディとバスドラが伺える。 後半からボーカルが入り、フィルターを駆使したダイナミックだが神秘的な、PSYCHEDELICに 近い展開になる。このあたりがENERGETICな部分と言えよう。変則的なバスドラとシンバルの 連打によるブレイクの使い方も面白い。
 バスドラ+フレーズ(+スクラッチ)の構成がほとんどを占めるHYPER譜面。後半になるにつれ て16分階段譜面の密度が上がっていっている。後半のブレイク部分の連続スクラッチや、その後の 変則バスドラ連打が難所となる。ANOTHERはブレイク部分のバスドラ増加で難度が上がっている他、 その後に何の音か聞こえない謎の連続スクラッチが増えていて、HARDクリアはかなりの難しさ。 ラスト数小節はそれほど難しくなっていないのが救いか。DP ANOTHERのブレイク部分、 3つ同時押しが繋げられるようになれば曲と一体になって楽しめるだろう。

"HYMNUS" oratio / 蓑舞衆
 oratioの本来の読みは「オラシオ」だが、この曲の場合は「オラショ」。ミサ曲のような 神聖さがありつつ、和風のメロディと音色で仕上げているこの曲は、隠れキリシタンが 歌っていたであろうというイメージでこの曲名がつけられたのだろう。ムービーにも 農民の大人子供や、天主堂にあるようなステンドグラスが描かれている。おそらく今作の テーマと絡めて、当時の迫害との「戦い」をということなのだろう。えらく宗教色が強いが、 作曲者=wacの過去曲にはMake A Differenceという前例もある。
 HYPERは階段が多いが、繰り返しも多い。繰り返し部分は交互に叩けるところもあるので 繋いで回復させたい。逆に後半の交互地帯は、片側が同じラインにあるため、一つ ずれるとBADハマリしやすいという危険もある。ラストはMake A Differenceの神降臨を 思い出させるような対称配置があるが、短いし同時押しで抜けられる。解禁後のANOTHERは 交互地帯の片側が2〜3つ同時押し、しかも16分スクラッチが連続してあり一番の難所。 他にも2重階段や、ラストのデニムをRANDOMでハズレを引いたような配置がある。後者は 全押しで抜けられそうだが。

"SUPERNOVA2 BEAT #1" PARANOiA 〜HADES〜 / αTYPE-300
 Time to AirのANOTHERをHARD AAAクリアで出現したOne More Extra曲は、DDR SuperNOVA2から の移植曲。前作のFascination MAXXと同じ移植元・位置づけということだが、作曲者はjun、 というと今までのjun曲からは想像もつかなかっただろう。PARANOiAシリーズの音色は継承しつつ、 冥王?の笑い声と迫ってくる3連符バスドラが恐怖のイメージを煽っている。ムービーも赤と 黒の中に亡霊のような顔が浮かび上がってくるなど、怖さを倍増させている。
 HYPERの難所は、低速地帯直前の1鍵が裏打ちになる所で鍵盤密度が高くなっている箇所。bpm75に なってから3連符まではテンポ変化に慣れれば譜面自体は簡単、その後の右側16分がややリズムが 取りづらい感がある。縦連打があり、bpmもさらに速いFascination MAXX(H)と比べるとこちらの方が クリアしやすいだろう。ANOTHERになると低速直前が12鍵交互+8分とさらに難度を増し、 低速地帯も3連符が2重になっており、簡単そうに見えるが1つズレると一気にゲージが なくなる。ノーマルクリアならFascination MAXX(A)よりも難しい。

"BALLAD" PROMISE FOR LIFE / TЁЯRA WORKS
 NAOKIとしては「BALLAD FOR YOU 〜想いの雨〜」以来のスローテンポバラード(どこか曲名も 似てるような気がする)、TЁЯRAとしては初となる。BALLAD FOR YOUと比べて4拍子、日本語 歌詞ということで聞きやすいのではないだろうか。ギターの音色やドラムのリズムなどよりも、 歌を一番におくのがバラードであり、だからこそ伴奏で誤魔化せない難しさがある。ちなみに、 この曲をプレイ後に分岐曲・REMINISCENCEをプレイすると必ず「//002 -life-」になるという ギミックがほどこされている。
 bpm変化がある曲を除けば、今作収録曲のうちもっともbpmが遅い曲となる。16分が延々と 続くが、実質はbpm140の8分譜面と考えれば楽だろうか。しかしHi-Speedを最大にしても まだ遅く感じるような遅さで、Sudden+を使わない人にはかなり苦手な曲になる。意外と難しい のは後半に出てくる1鍵キックの2連打で、よくリズムを崩されてミスを出しやすい。 またラストの32分スクラッチ3連も繋ぎにくく、ここでフルコンを逃して嘆く人も多い だろう。ANOTHERはHYPERと比べ密度が増えたり減ったりして、それほど難度が高くなってる ようには見えない。

"DANCE" radius / yasuhiro abe
 阿部靖弘氏の曲といえばReally LoveやDon't forgetがIIDXに収録されているが、 それとはおもむきを異にしている、Twin Amadeusを思い出させるような弦楽器主体の曲。 といっても4打ちやシンセ音が入っていたりとテクノ要素も入って、それで違和感なく 聴ける。DANCEというジャンルがちょっとシンプルすぎな気もするが。radiusとは「半径」 「範囲」などの意味だが、ムービーはなぜか3Dアニメのワニが主役になっている。
 Twin Amadeusっぽいのを思い出すとズレが多そうにも思えるが、実は全部16分で収まって いる。4打ち+16分フレーズが延々と続き、16分の割合は後半ほど多くなっているが、 スカスカのところもあるのでそこではしっかり繋いで回復しよう。ゆったりした曲調の 割にはbpmはそこそこ速いので油断はできないが。ANOTHERは全体的に16分が多くなり、 隣接同時や左に寄った配置などが目立ち、細かなミスを至るところで出しそうな譜面に。 スクラッチは少ないので鍵盤に集中して拾っていこう。

"TRI EURO FANTASIA" REMINISCENCE / jun with Alison
 曲名はあまり見慣れない単語だが、「レミニセンス」と読み「回想、思い出」などという 意味である。Why did you go away・CROSSROADと、選曲後2曲に分かれるというのがシリーズ化 してきたjunのEUROBEATだが、今作ではジャンル名に「TRI」とあるように、なんと3曲に 分岐する。「//001 -rebirth-」は英語ボーカル、「//002 -life-」は同じメロディでjunの 日本語ボーカル、というパターンは今までと同じ。それに加え「//003 -destiny-」はjunの 日本語ボーカルだが、メロディラインが全く違うものになっている。
 曲は違えど譜面が共通なのはいつもと同じ。16分はシンセパートで見られるが、同色鍵盤が 多いので比較的叩きやすい。その他は8分を基本として、16分が所々に入っている感じ。サビ では毎小節スクラッチが現れることを覚えておこう。5連続スクラッチが間奏にあり、クリア には支障はないがフルコン狙いだと最難関だろう。ANOTHERは16分シンセ部分が隣接配置になって いて非常に叩きにくくなっている。HYPERのラストではトリルだったのがANOTHERでは別物の 配置になっているが、それなりの密度なのでラストまで気を抜かないように。

"UK HARDCORE" Rising in the Sun (original mix) / kors k feat.Rie
 当初は携帯電話用として先に"Breaks mix"が作られたが、ゲームには一から作り 直した"original mix"が後から作られたという曲。HORIZONの続編的な位置付けで、音色や ボーカルの割合などは近いが、曲調は全体的に明るく、こちらの方が"HAPPY" HARDCOREっぽく 思われる。また16分音符を多用していることもあり、HORIZONとbpmはほぼ同じだがこちらの方が 勢いがあるようにも聞こえる。静かになったところでのピアノのアルペジオも聴き所だ。
 メインパートとなる16分混じりのシンセパートはbpmの速さもあって、拾えるが光らないという スコアが取りづらい譜面だ。Abyss-The Heavens Remix-に近いものがあるが、ラストが難しい わけではない。終盤にスクラッチの連続があり、16分ズレしている鍵盤はややとりづらく 思えるが、それほど長くもない。ANOTHERは冒頭が焦る配置になっているが同時押しで誤魔化し やすいパターン。4分スクラッチパートも増えているが、ラストもHYPERと変わってないし、 ★10では随分簡単な方だと思われる。

"OUVERTÜRE" Ristaccia / Zektbach
 Zektbach名義の曲も世界観が出来上がりつつあるが、ムービーでポップンを含めたZektbach曲の キャラが大集合しているためか、集大成とも言えるのではと思える。でもジャンルは「序曲」。 ウムラウトがあるようにドイツ語なので、「オーバーチュア」ではなく「オーベルテューレ」 と読む。曲調はオーケストラのテクノを取り入れたいつもの流れながら、今までの曲よりも ボーカルに力を入れていて、オペラを聴いているような気にもなるほどだ。ムービーも単色だが キャラクターのアニメーションが細かく、じっくり見たい作品だ。
 所々同時押しが目立つが、メインは階段。序盤〜中盤にかけては16分で休みなく、隣接配置が 多い階段が配置されている。特に中盤の2小節×4セットの繰り返し部分では、スクラッチも 絡んでくる一番の難所。ラストは12分となってやや余裕が出来るが、ここでもスクラッチが多め なので油断できない。★9でも上位の位置づけだ。beat#1終了後に解禁されたANOTHERは、クリア だけ考えれば終盤12分地帯だけなのだが、縦連打が多くありゲージを保つのが難しい。スクラッチ のいやらしさをひしひしと感じるも、解禁★12の中ではまだ簡単な方か。

"RAGGA ROCK" ROCK ME NOW / GUHROOVY fw. NO+CHIN
 家庭用のGUHROOVY曲ではよくコンビを組むNO+CHINだが、ACでは初登場。またレゲエ 要素も、ACではラクエン以来となる。ノリのよいラップと、陽気なラガの曲調がマッチし、 聴いても叩いても小気味の良い曲。「Hey! Hey! Rock me now!」で始まるサビの部分を長く とっており、曲の印象を強めている。ムービーは歌詞メインの演出で目で追いかけるのも 面白い。一部「stylee」と書かれているが、サントラの歌詞カードにもそう書かれており 誤字ではない様子。
 bpm220という超高速で、8分の縦連打が序盤から降ってくる。特に連打中にスクラッチが絡む ときは、連打している手を左右入れ替えないとならない場合があり手がもつれる。ただサビの 部分は平坦で簡単なのでしっかり回復しよう。ANOTHERは序盤に連続スクラッチまで増え焦るが、 スクラッチがひどいのは実はそこだけ。HARDクリアなら前半難で苦労するが、ノーマルクリアなら 終盤の1〜2同時押しの8分+スクラッチが延々と続くのに耐えられれば。

"RAVE" satfinal / RAM
 RAMといえばRAVE。bpm180というのもお約束であるが、今作は今までよりも派手さは抑えられ、 浮遊感のある聴き心地の良い曲に仕上がっている。展開は声ネタが多用されたり、中盤に短調の ブレークビーツが入ったりするなどお約束だが、その前にピアノソロパートがあるのが いつもと違って新鮮さを感じられる。出力アニメはVJ GYOがここぞとばかりアクティ=アリ エス。3Dアニメでの滑らかな動きはいつもよりも増しているが、そこまで力を入れなくても というところも。気を取られてミスしないように(笑)。
 4打ち+シンセフレーズか、8分の同時押しを含む混合フレーズというのが大半だが、16分 トリルや階段が突然降ってくるので構えておこう。終盤ほど16分が多くなっているのも注意 したい。ANOTHERは同時押しが増えちょこちょこと16分も見えるが、それほど密度は高く なってないしスクラッチも少ないのでクリアはしやすいはず。DPはSPよりも16分が少なく同時 押しが多い構成で、手を広く使わないとならないが、慣れればこちらの方がスコアが出やすい だろう。

"HARD HOUSE" satellite020712 from "CODED ARMS" / 猫叉Master
 KONAMIのPSPゲーム・CODED ARMSのBGMとして使われた曲の移植で、作曲は前作では ポップンから"Beyond The Earth"を移植された猫叉Mastar。Beyond〜と比べてかなりの ダーク路線に変わっておりこんな曲も書けるのか、と思ったがドラムパートの 使い方がBeyond〜に近いものがある。HARD HOUSEとあるが、メインとなるシンセが サイケデリックトランスのような中毒性がある。旋律自体はアラビア風だと思うのだが。
 冒頭の連続スクラッチが印象的な譜面。3鍵を中心にしたメインのシンセフレーズは、 スクラッチが絡むのがやっかい。しかし連続スクラッチは3鍵と同じリズムを刻むので、 1P側なら左片手でS+3が取れればかなり簡単になる。2P側ならMIRRORが有効だ。 ANOTHERは連続スクラッチが2鍵に移動して鍵盤の密度が上がっているが、スクラッチも健在。 中盤に16〜32分で右に偏ったドラム類は徐々にゲージを削られていく原因となる。 あとラストのドラムロール+スクラッチの位置から見て2P不利が顕著だと思える。
 14KEYSはTHE EARTH LIGHTのようなBATTLE+αな譜面が特徴だが、このα部分による 同時押しでミスが出やすいというやっかいな譜面。CS10th新曲の14KEYSでは一番の難度で あろう。ANOTHER14の化け方も半端ではないが。
 DJ TROOPERSに移植される際、全譜面が変更された。家庭用の譜面をベースに、左右に 広がったりスクラッチが少なくなったりと全体的に簡単になっている。それでも、DP ANOTHERの 難度は相当のものだ。

"WORLD/ELECTRONICA" scar in the earth / 猫叉Master
 DJ TROOPERS⇒戦場⇒戦争で傷ついた地球、というテーマだが、ムービーは緑であふれ、 穏やかな曲調。ポップンでいうところの「コンテンポラリーネイション」シリーズを踏襲する ような、いつもの猫叉Masterらしい民族的音楽だ。冒頭や中盤の静かな展開はReflection Into the EDENを思い出させるも、やはりメインフレーズの音色とベースこそが猫叉節と 言えよう。終盤はフレーズが和音になるなどいつもと同じと思いながらも、毎回新鮮さと 懐かしさを感じられる。
 4打ち+フレーズが基本となっており、フレーズのうち16分の小階段になっているところを 注意したい。特にスクラッチが加わるところはやや取り辛い。また32分の<字や24分の同色 階段など細かい音符も目立つ。最後曲が終わったと見せかけて2小節ほど残っているので、最後 まで気を抜かないこと。ANOTHERは4打ちが増えるのと、終盤に24分同色階段が現れる。24分 階段の直前の、16分フレーズ+スクラッチ辺りからが勝負だろう。

"HARD TRANCE" Shades of Grey / Fracus
 DDR SUPER NOVA2からの移植曲。BEGINNERモードでは始めから登場して いたが、STANDARDモードでは解禁まで出現条件がなかった。8分シンセやスネア音、 歌入りなどどれを取ってもHORIZONと重なるところがあり、そういう哀愁系ハードコアに 興味がある人は好きになれる曲だろう。DDR用ということで曲の長さが短めなのと、 展開があまり変わらないように聴こえるのが少し物足りなくはあるが。
 ほぼ8分構成。やや裏打ちメロディが多いためか、裏打ちでの同時押しも目立つ。16分 ドラムロールが同色階段状に配置されており、スクラッチも絡むのでこのレベルとしては 難しい。特にラストは、それまでに100%まで回復してスクラッチを捨てるのもいい だろう。ANOTHERは8分の同時押しが全体的に増えるが、16分部分は大して変わってないので クリアは易い。一方でDP ANOTHERなどは、同色階段と同じ側に+αが配置されており、 ややラス殺し譜面なのでHARDの方がクリアしやすかったりする。

"TECHNO" SHIFT / AKIRA YAMAOKA
 真面目な方のAKIRA YAMAOKA。前作Play back hate youと似た怪しい雰囲気で、最近のTECHNOと してはややテンポが遅めだが、その分アンダーグラウンド感が出ている。4打ちは少なく、BIG BEATのようなリズムの刻み方をすることが多いのも特徴。ムービーは5鍵時代を意識しており、 アメリカのアニメのようなタッチでいろいろなキャラクターが描かれている。ライオンの キャラが出てくるのは「ライオン好き」から?
 16分以上のズレはないが、変則的なリズムが多く目押しに頼る譜面。中盤の連続スクラッチが 絡むところと、終盤の2連打の連続の部分でミスが出やすいが、他は平均的な密度なのでクリア はしやすい部類。ANOTHERはどれがどのパートか分からないほどのごっちゃり感だが、テンポは 遅めなのでこういった密集譜面の練習にはもってこいだ。DP ANOTHERはスクラッチが少なく なっており鍵盤が楽しい譜面。前半難なのでHARDは★10では難しい方か。

"WALTZ BEAT" soldier's waltz / DAJI
 3拍子のデジロック?前作同様打ち込みっぽい音源なのだが、他の部分で独創性を備えて いる。DJ TROOPERSの他の曲では現代っぽく銃を持った兵士をイメージさせるものが多いが、 この曲はワルツなだけに、ムービーにもあるように中世の騎士を思い浮かべさせる(前作の 恵比寿様と比べれば、曲のイメージに合致している)。ワルツなのにえらく力強い曲調と 思われるが、後半にはピアノの繊細なメロディも。メインフレーズを繰り返すことによって 曲の印象もはっきりさせている。
 bpm186という速さで隣接24分階段→3つ同時押しが何度も現れる、ミスが出やすい譜面。慣れ ない内は同時押しで誤魔化すパターンを考えよう(45同時→1367同時等)。その他2つ同時押しの 連続が目立つが、メインフレーズ以外では階段も結構多い。ANOTHERは24分階段にスクラッチが 加わり取りにくさが非常に増している。また中盤入りの連続階段にキック+αが加わって、HARDで は一番危険な箇所に。後半は一部16分階段に気をつければ大体回復地帯となっているため、 ノーマルクリアは難易度相当といったところか。DPは分割の仕方が変で24分階段→同時押しが 片側に寄っているため、これも難易度以上にHARDクリアは難しい。

"FREEFORM HARDCORE" SOUND OF GIALLARHORN / L.E.D.-G
 GIALLARHORN(ギャラルホルン)はGJALLARHORNとも書き、北欧神話における角笛の名前。 当初は「THE SHARP STRIKER」と名づけられていた、THE DEEP STRIKERと対をなすと言える曲。 どことなくエンディング曲「THE LAST STRIKER」とも似ている。イントロはPHOTONGENICを 思い出させるような8分シンセで始まるが、すぐにFREEFORMらしい歪んだシンセ音に変わって いく。それでも他のFREEFORM曲と比べると高音が多めで神秘的な雰囲気がある。
 SP HYPERは曲の長さもあって、AAを抜いて最多NOTE数を更新。中盤に4打ち+16分乱打が あり、その他は4打ち+8分フレーズといった同時押し中心の譜面。体力はいるがクリアは しやすい方だろう。ANOTHERも★11で最多NOTE数。終盤の密度は変わってないのでノーマル クリアはしやすいが、中盤の16分地帯がかなり密集しており、HARDはかなりてこずるだろう。 ちなみにDP ANOTHERも★10で最多NOTE数。最後で体力が切れた頃にこの譜面だけある16分 トリルが来るので、BADハマリでラスト落ちすること多し。

"TECHNOTRONICA" State Of The Art / Sota Fujimori feat. cyborg AKEMI
 "State Of The Art (Technology)"で「最先端技術」という意味であり、略称が ズバリ"SOTA"となる、Sota Fujimoriのテーマ曲のようなタイトル。beatonic nationでは アナログシンセを多用し、逆にこの曲ではハードウェアを一切使わないというコンセプトで 作られたらしい。cyborg AKEMIの歌詞が日本語だったり、それ以外のボイスによる歌(cyborg AKEMIの声をさらに変化させたのかもしれないが)が前半に入っていたりなどが特徴点か。
 変則的なリズムと16分が入り混じる乱打系の譜面。スクラッチは少ないが、中盤の16分乱打に どれだけ集中できるか。ただ同色階段が多めなのが救いか。終盤は4打ち+シンセとなって リズムが刻みやすい分簡単に。フルコンを目指すならば終盤手前、1・7鍵トリルが 途中で24分になっているのが鬼門。ANOTHERは詰め込んだせいもあり16分乱打部分の隣接階段が 多くなっており、叩きづらさが増している。こちらもラストは少し密度が減るので クリアはしやすい方だろう。

"BREAK CORE" STEEL NEEDLE / Scorpion
 EXスコアでA・AA・AAAのボーダー丁度を出すことによって出現するMILITARY SPLASH後半戦 のこの曲は、L.E.D.作曲。少しだけ入っている低い男性の声ネタがL.E.D.の他の曲でも 似たようなのが使われており、予想付きやすかったのでは。針の穴を通すような出現条件と、 ムービーの蠍のイメージにぴったりの曲名が付けられている。砂漠での戦いがテーマに なっており、冒頭はアラビア音楽のような旋律が聞こえる。しかし前半のほとんどはブレーク ビーツの嵐。後半に8分シンセが入りメロディらしいものが見られる。
 HYPERは前半の短いトリルの繰り返しが、テンポが速いため厄介。同様に8分スクラッチの 連続も、分かっていてもBADハマリしやすい。後半は8分メインの譜面になっており、 所々16分が混じっているのに気をつければ十分に回復できる。ANOTHERは全体的にはNOTE数の 増加は少ないものの、前半のトリルが増えていたり、後半は左に16分が多くなるような 追加がされていたりと的確に難化している。それでもラス殺しもなく、MILITARY SPLASH後半の 曲の中では一番安定してクリアできる譜面ではないだろうか。

"ULTIMATE J-POP" switch / DAISUKE ASAKURA ex.TЁЯRA
 SWITCHというとRAMの曲であったが、こちらは小文字のswitch。音楽プロデューサーとして 有名な浅倉大介と、TЁЯRAによるコラボレーション曲がDDR SuperNOVA 2から移植。 とはいえシンセの使い方など浅倉氏とNAOKIの作風は近いのか、NAOKI曲しか聴いたことの 無い人も違和感なく聴けるのではないだろうか。伴奏よりボーカルボリュームが大きいため、 普通にTЁЯRAの曲、というイメージを強く与えているというのもあるか。4打ちではなく 変則的なキックのリズムを多用しているのも特徴。
 類を見ない20分音符(5連符)の白鍵螺旋階段が登場する。16分よりも速いということに気を つけよう。小節頭にスクラッチが多く、スクラッチがある場合は1鍵が消えるという「jun譜面」 のためか、全体通して変則的な配置だ。ANOTHERはいきなり2重階段→スクラッチを含む3〜4つ 同時押しの連続のコンボで焦る。ラストにも同様の配置があるため、冒頭のができなければ クリアできない。むしろHARDクリアの方が楽という人も多いかもしれない。

"NU STYLE GABBA" THE DEEP STRIKER / L.E.D.-G
 DJ TROOPERSのコンセプトに一番合った、テーマ曲のような位置づけの曲といえよう。NU STYLE GABBAはどの曲も同じように聞こえがちだが、作曲者が違えば音色も違うので多少には 別の曲に聞こえる。L.E.D.の初めてのこのジャンルとなるこの曲は、ノイズの効いた高音 シンセがサイレンのようにうるさく響く。どうもNU STYLE GABBA=gigadelicのイメージは 払拭できないのだが、出力アニメに同曲で出たキャラクターが再登場するあたり、スタッフも そうなのだろう。
 ロケテストでは最難曲だったが、その時のHYPER⇒製品版のANOTHERと、簡単になっている。 1鍵バスドラ+シンセ+シンバルスクラッチが基本で、4分がほとんどだがスクラッチが多い。 鍵盤は乱打っぽい階段が基本で、バスドラも含め2連打が目立つので、そこで細かいミスを しないよう心がけよう。ANOTHERはもう1フレーズ(リズム?)加わって、3つ同時押しに なるような配置が一気に増えている。どこが難所というわけでもなく全体として平均的な 難易度で実力を問われる譜面。その分慣れればクリアしやすいか。

"ETHNOTRONICA" the trigger of innocence / Seiya Murai
 戦争があたりまえの環境で生きている、子供たちをイメージした幻想的な曲。ロケテストでは ボーカルが無かったが、製品版では歌が付いて曲のイメージがはっきりと伝わるようになった。 とはいえ歌声を加工しているためそれほど目立たせず、伴奏をメインに聴くこともできる。 効果音として拳銃を持つような金属音や撃鉄を起こす音が使われているのも特徴。最後には 遠くの方で銃声が聞こえ、これは走馬灯の隠し音と同じネタだが、ロケテストで収録されていた こちらの方が初出。
 全譜面通してスクラッチは最後の銃声1つしかない、鍵盤中心の譜面。その譜面もHYPERでは8分 がほとんど、同時押しも同色ばかりの見やすい構成となっている。ANOTHERになると最大5つ同時 押しが出てくるなど同時が多いのだが、単調な配置ばかりなので難易度の割には簡単。フルコンを 狙うなら16分→3つ同時押しの1箇所に気をつければいいだけである。DPはNOTE数が多く、 特にANOTHERはDXY![DA]に匹敵するくらいなのだが、同じことの繰り返しで押しやすい配置なため、 密度の割にクリアは難しくない。ただ非利き手の同時押しは辛いだろうが。

"DANCE SPEED" Time to Air / 青龍
 今作の通常EXTRA曲は、朱雀ではなくCardinal Gate繋がりで青龍。VANESSAの時よりも 高難度の譜面を出すための合計難易度が高くなっている。前作"waxing and wanding"と同じ ジャンル・同じbpmにあわせたのは青龍名義を強調したいためか。2種類の音色での8分フレーズ や、ブレイク後にそのうちの一方だけ流れるといった構成も続編らしい。声ネタが使われている 箇所が多めで、キーアサインされているためプレイ感がより出ているのが違いか。
 前作よりも16分が多くなっているものの、HYPERの後半などはほとんど8分。音階を無視した 8分同時押し縦連打が目立つ。テンポが速いが度々ラインが変わるのでBADハマリの危険は少なく なっている。それでも鍵盤に集中しすぎてスクラッチが来た時に慌てないように。ANOTHERは前半 の16分がかなり多めで、同時押しが絡んでくると一気にゲージを落としやすい。後半はやっぱり 8分同時押しなので回復が見込めるが、3〜4つ同時押しとスクラッチのラッシュなので体力が 必要。ノーマルクリアはwaxing〜の方が、HARDならこちらの方が難しいだろう。

"SUPERNOVA2 BEAT #2" TRIP MACHINE PhoeniX / DE-SIRE改
 各バージョンの曲を満遍なくプレイすることで現れるMILITARY SPLASH前半戦の1曲は、DDR SuperNOVA2からの移植。IIDXしかやらない人でも、SP-TRIP MACHINEを知っていればすぐに 同類だと分かる曲調と音色だ。DDRではゲーム性を重視して作られたような曲のためか、 曲自体が一時停止したかのような効果が付けられており(実際はDDRでも止まったりしないの だが)、不思議な感覚に襲われるのがTRIP MACHINEの所以だろう。
 DDRではbpm160で、一瞬bpm80に落ちるだけだったのだが、IIDXでは一定速度になる変わりにbpmが 倍の320になっている。お陰でHSの調整が難しい。基本4分なのだが、連続スクラッチが多めで 遅れBADを頻発しやすい。中盤〜後半あたりの左に寄った8分トリルも取りづらい。ANOTHERは中盤の バスドラ2連打がBADハマリを引き起こし、終盤は2〜3つ同時押しを含む8分の嵐となっており かなり難しい。ラストもズレが多く、なかなか安定してクリアできない譜面だ。

"ULTIMATE CORE" TROOPERS / Des-TRACT
 MILITARY SPLASH前半戦のONE MORE EXTRAは、サブタイトルに含まれるタイトルというほど テーマに沿った、軍人ラップとでも言えるほどのダークでコアな曲。繰り返しが多いが 変則的なリズムのバスドラと、ディストーションギターのリフも特徴的だ。スクラッチ は"Digitank System"の作曲者・DJ MASSによるものである。ムービーは出力アニメが印象に 残りやすいが、その裏でスタッフによる実写ムービーが流れていたりする。
 HYPERからいきなり同時押しとスクラッチの連続。ラストも鍵盤とスクラッチが入り混じって いるので勝負どころだ。ただ大半は鍵盤のみのパートで繰り返しも多いので回復は十分 でき、高スコアも意外と狙いやすい。ANOTHERは200を超えるスクラッチ、特にラストが非常に 密度が高くなっている。鍵盤のみのパートはやはり繰り返しばかりで回復できるのだが。 ちなみにDP ANOTHERは16分スクラッチが大量に発生するが、クリアの鍵となるラストは 鍵盤づくしとなる。

"PROGRESSIVE BAROQUE" Übertreffen / TAKA respect for J.S.B.
 DJ TROOPERSの新曲を何十曲かプレイすることで出てくるMILITARY SPLASH前半戦の3曲目は、 ポップン14からの移植。曲名はドイツ語で「〜に勝る、〜より優れている」という意味を 持つ。No.13と同じく原曲はバッハの曲なのだが、元々はリュートという弦楽器のソロ演奏の曲で あり、それがえらく壮大かつ派手なアレンジになっている。ボス曲としては適役だったかも しれないが、ポップンのかわいいイメージにそぐわない曲調であり、IIDXも方が合っている、 移植されるのも時間の問題といったところだったろう。
 テンポが早く16分階段が頻発。HYPERでは階段中は他の鍵盤はほぼ無いし、同色鍵盤も多い のだが、1→7、7→1等の大階段はやはり一番注意すべき箇所。ラストは大階段に加え スクラッチがクリアを阻む。解禁前にTROOPERSをHYPERで出したいとき、一番の壁となった だろう。ANOTHERはポップンのEXと同じNOTE数。ポップンよりは階段は叩きやすいが、逆に スクラッチが難しくしている。曲は短いがテンポと密度から体力も必要な譜面。終盤は休みが 無いので、クリア安定度からいえばNo.13より難しいかもしれない。

"PIANO HOUSE" Wanna Party? / RAM
 RAMといえばRAVEかDRUM'N'BASSのイメージが強いが、まさかのHOUSE。しかもメロディも 含めピアノがメインというえらくシンプルな曲だ。前作でいうSo Real的な位置づけにも 思えるが、古参が聞けば5鍵の頃を思い出して懐かしく感じられるのではないだろうか。 クラブ系HOUSEというよりは落ち着いて聴きたい鑑賞用の曲といえる。歌モノではないが、 よく聞くと「Wanna Party?」という声ネタが何度も使われている。
 こういう簡単そうな曲調でも、HYPERで★7あるのが普通になってきてるというのも妙な話。 4打ち+ピアノの伴奏+メロディ等という配置が全体的にそうなっており、後半ほど密度が高く なっている。伴奏パートのせいで16分譜面という印象が強く、リズムを覚えるまでは目押しに 頼りがちな譜面であろう。たまに1小節に固まってスクラッチが降ってくるのも注意。ANOTHERは 無理矢理パートを詰め込んだように隣接配置や3つ同時押しが多発する。

"80's EURO" エコ爺 / Y&Co.
 Y&Co.といえばEURO BEAT……なのだが、今回はEUROでもレトロな曲調。しかもエコロジーと 爺をかけたネタっぽい曲だ。16セグメント表記では「ECO-G」となっている。曲名の通り 地球の環境を守ろうというCM的な歌詞の内容で、ムービーではエコ爺らしき赤ん坊みたいな 格好の爺さんと、エコロジーではなぜか代名詞となっているペンギンが登場する。 メッセージ性はあるとは思うが、DJ TROOPERSとは全くの正反対な位置にある曲とも言える。
 冒頭オブジェが降ってくるのがかなり早いのでまず気をつけよう。4打ち+メロディか 伴奏のオーソドックスな配置で、スクラッチも少なくテンポも遅めで特に慌てる箇所は少ない。 しいて挙げれば1度目のサビが終わった後にブラス音の乱打地帯だろうか。ラストも若干密度が 上がっているようで油断ならない。ANOTHERは無理矢理詰め込まれた譜面で変則的だが、 スクラッチは変わらず少ないので鍵盤に集中して叩くことができるだろう。

"HYPER JAPANESQUE 2" 華爛漫 -Flowers- / TЁЯRA
 ハイパージャパネスクというジャンルは、ポップンが初登場だが、2となるこの曲はDDR SuperNOVAからの移植。前作・夢幻ノ光と違い明るい曲調で、華爛漫の江戸の町を語った 内容の歌詞となっている。「ふわり」「しゃらら」などの擬音語が目立つ。解禁前は、THE TROOPER'S JOURNEYで相当数のエリアor店舗数を廻らないと常駐しなかったのを考えると、 それこそ江戸(東京)に住んでいる人くらいしか出現させられなかった曲とも言える。
 サビなどを見るに8分譜面っぽいが、16分の割合もやや多い。前半は階段も何度か出てくる。 終盤は8分同時押しの間に入っている16分に注意して拾っていこう。同時押し+スクラッチの 配置も多いが、「jun譜面」なのでスクラッチがあるところに1鍵はほぼ来ないと覚えていれば 多少押しやすくなるかも。ANOTHERは細かい16分の分布が増えていたり、16分トリル+8分など 厄介な配置も目立つ。ラストも若干焦るが、小節の前半と後半を分けて考えればそれほど 難しくなく見える。よって★10ではクリアは安定しやすい。

"ELECTRIC AOR" 叶うまでは / ウッチーズ
 DJ TROOPERSということもあってか、曲名が「ほしがりません勝つまでは」的なものに 見えてしまうのは私だけだろうか。ウッチーズとしてはHAPPY SKY以来となる(公式曲紹介 では、前回登場のEnjoy your life的な名前で語っているが)、ウッチーズらしい歌声と 元気付けるような歌詞の曲。いつものbpm:160よりは若干遅くなっているが、軽快なシンセ フレーズでいつもの疾走感を失わせず、爽やかな曲のイメージを作り出している。
 譜面もいつもと似たような感じで、シンセパートで16分階段の終わりにスクラッチ、 という配置がかなり多い。階段をbpm140でというのが速い見るか遅いと見るか。同色鍵盤の 配置はとりやすいのでそこで回復できるようになろう。ANOTHERは4打ちが加わるのはもちろんの こと、片側に寄った配置や隣接階段があったりと取りづらい配置が目立つ。DP HYPERは★9 だがSP HYPERの分割で、同色階段が取れれば難易度よりは簡単なはずだ。

"POST RENAISSANCE" 少年A / Remixed by 少年ラジオ
 dj TAKAファーストアルバム「milestone」より、少年ラジオことwacによる「A」のリミックス 曲が収録。moon_childと同様、ラジオのチューニング音やノイズなどが散りばめられた アレンジ。ゲームバージョンでは前半のスローなパートが大分省略され、高速ピアノパートは そのまま残っているというゲーム性を重視したカットとなっている。そのため高速地帯の 方が長くなっているが、フルサイズでは遅いパートの方が長い、むしろ当初は遅いパートだけに する予定だったと言われている。
 前半は24分トリル+8分フレーズがあり、24分の間隔がつかめずBADを多発しやすい。 その後32分トリルもあるがこれは16分でして対処できる。高速地帯は歯抜けが多い16分だが、 隣接階段がほとんど。特に終盤は7→1への大階段が繰り返される。隠しだったANOTHERは、 後半の歯抜けが埋められ、しかも連続スクラッチが大量に増えている。原曲のA(A)よりも 難しいといっていいだろう。DP ANOTHERはこちらの方が簡単なのだが、やはり隣接階段が 多く、鍵盤とスクラッチが無茶な配置も見られる。ちなみにNORMALでは、前半の24分 トリルが16分に簡略化されている。

"SYMPHONIC TECHNO" 高高度降下低高度開傘 / Dr.Honda
 高高度降下低高度開傘は英訳すると"High Altitude-Low Opening"となり「HALO」と 略されるのだが、セグメントには律儀にもローマ字表記で長々と表示される。メタルギア ソリッド(MGS)シリーズでサウンド担当している本田氏による曲提供。書き下ろし曲なのだが、 シンフォニックで壮大かつ緊迫感のある曲調はDJ TROOPERSのコンセプトにも、あるいはMGSで 使われてたとしてもぴったりな雰囲気だ。実際にMGS3でHALOのミッションがあったりする。
 最初と最後が16分の忙しい地帯、真ん中が8分中心のゆったりした地帯とわかれている。 勝負は終盤になるわけだが、16分乱打の中に度々スクラッチが割り込んできたり、ラストは トリルしながらスクラッチというBADハマリしやすい配置になっていたりと、★7では難しい 方と思われる。ANOTHERになると4打ちが加わって全体的に難度が増すが、ラスト数小節は そんなにオブジェが増えていなくてクリアの安定はしやすいのでは。DPは段位の課題曲になって いるように、総合的なテクニックを要する(個人的には)良譜面である。

"FUSION" ミラージュ・レジデンス / Jimmy Weckl
 ボーダークリアまたはパーフェクトを出すことによって出現したMILITARY SPLASH前半戦の 2曲目は、ギタドラV3からの移植。4拍子と3拍子が混ざる変則的リズムで、ギターとドラム の音しか聞こえないまさにギタドラのための曲。先に作られたムービーにあわせて曲を作ると いうVJ ARMYのような手順になっており、当然同じムービーも移植された。少年が見る 「妄想の屋敷」という内容がそのまま曲名に結びついている。
 HYPERは終盤に長々続く16分階段に加えスクラッチもあり★9の中ではかなり難しい。道中も 同時押し地帯は回復できそうだが、1・2鍵のドラムパートが変則的なパターンになるとBADを 連発しやすい。ラストに2段階でフェイントがあるので忘れずに。ANOTHERはHYPERで抜かれて いた部分が埋められた感じで、同時押しはともかく階段中にドラムパートが追加されるのは 非常にやっかい。ある程度スクラッチを捨てて考えた方がゲージが残るかもしれ ないが、HARDクリアを狙うなら一番の難関になるだろう。

"ELECTRO" 湘南族 -cannibal coast- / Aural Vampire
 Aural Vampireとは吸血女性エキゾチカと仮面男性レイブマンによる二人組みアーティスト。 そのレイブマンの出身地が湘南とのことらしい。人がごったがえしているビーチを映した、 ノイズの入った古臭い映像に合うような、一昔前によく流れていたようなそんな曲という イメージ。DistorteDのTonight?を思い出させるような(ELECTROつながりだし)、低音が強い シンセ音を多用しており、作曲者は違うがそれの歌謡版とも言えるだろう。
 2回入る短いドラムロールを除けばほぼ8分で構成されている。ただ終盤は16分乱打 から抜いたような譜面であり、その名残で所々16分が残っている。叩きづらい配置が多く リズムを崩されやすいので徐々にゲージを削られていくだろう。ANOTHERになるとその16分が 全部に配置されており一気に難度が上がっている。交互っぽくも見えるがおまけのオブジェも 多く、裏打ちの合間に正拍を叩かされる左手側は苦労するだろう。

"EDUCATION" マチ子の唄 / AKIRA YAMAOKA
 不真面目な方のAKIRA YAMAOKA。こういう曲には荒山課長やヨシダさんなど人名をつける ことが多い。歌詞もライオン好きのように得体の知れない料理をしたり。冒頭の音がGo Beyond!!でも使われているのは分かるが、なまじ知っているだけにテンポが違いすぎて 滑稽に聞こえる。がそれが狙いだったりして?ムービーは太鼓を叩くクマと、「マチ子」 「まち子」の服を着た踊るウサギの3Dアニメ。終盤はツタが生えたり花が咲いたり、 これもGo Beyond!!のムービーを似せた演出になっている。
 同色同時押しが多く、4分間隔での鍵盤+スクラッチの配置も多いので、その「教育曲」 にはなるだろう。ラストなど4打ちが加わり3つ同時押しになるとこのレベルでは 難しい。16分は終盤に少し出てくるくらいなので、高スコアは狙いやすい。ANOTHERは とつぜん右側に螺旋階段があったり、16分階段中に連続スクラッチがあったり一部焦る所も。 その他も3つ同時押しが当たり前になっているが、この譜面でも同色同時押しが多いので 見切りやすいだろう。

"SOLDIER'S BALLAD" 走馬灯 -The Last Song- / TAKA
 earth scapeのように微妙なbpm変化をするゆったりしたアンビエントは、TAKAお得意の パターンの一つ。ピアノが主旋律を奏でる部分もあるが、全体的にストリングスを多用しており、 オーケストラ風の壮大な印象を受ける。曲調だけ聞けば穏やかな気分になれるが、タイトルの 意味深さが少し不気味な感じもある。Mr.Tのdesolationと似た関係とも言えよう。また 曲が終わった後にターンテーブルを回すと、一気に現実に引き戻される音が聞けるだろう。
 新曲で一番低難度の譜面であるが、低速な分Hi-Speedを高くしないと(最大までしても)遅く 詰まってみえるだろう。しかも3つ同時押しも何度か現れるので配置の見極めが重要と なる。bpm変化はあるといっても、earth scapeのラストのような極端なものではないので、 それによってコンボが途切れるということは少ないだろう。HYPERではスクラッチはほとんど 出てこないが、ANOTHERは中盤に白鍵全押し+スクラッチという配置が連発し、スクラッチを含む 同時押しが苦手な人には非常な難関となる。

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