beatmaniaIIDX 16 EMPRESS


"DANCE SPEED" 3y3s / 青龍
 ついに青龍名義のONE MORE EXTRA。曲名はEYES(E→3)からと思われ、曲中に「Close your eyes」 のボイスも入っており、読み方もアイズで良いだろう。声ネタや印象に残るフレーズは おなじみ(ジャンルもbpmも)だが、いつもよりもまして電子音で、フレーズも1パターンが繰り 返されるのみ。全体的に静かでシンプルに聞こえ、今までの青龍曲と比べどこか神秘的なイメージが 浮かぶ(出力アニメの女性型メカ?のせいもあるが)。電子音の響きと和音を楽しもう。
 HYPER前半は白鍵の正拍同時押しの間に黒鍵の16分階段が入るような形で長く続く。後半は 8分しかないが、同色3〜4つ同時押しの連続は見極めと忍耐が必要。特にスクラッチで指位置を 崩してしまうのに気をつけたい。ANOTHERはいきなり16分の2重+裏打ち+4つ打ちスクラッチと いう無茶な配置、ブレイク前の隣接同時押しの交互階段は他に類を見ない。この後はやはり8分 同時押し主体になり前半よりは簡単に見えるが、2小節にわたる長いトリルが2度、とくに ラストはトリル+3つ同時押し+連続スクラッチとなっておりやはりクリアは難問。DPも 同じように前半は同色16分階段、後半は同色8分同時押しとなっており、ANOTHERはSPよりも さらに後半回復できるようになっている。

"HARDCORE" ALL I NEED YOUR LOVE / GUHROOVY fw. M-Project
 M-Projectはマキナを得意とする日本の2人組みユニットで、海外でも人気が高い らしい。IIDX初登場ではそのマキナではなく、共作のGUHROOVYではおなじみのハードコア路線の 曲。ハードコアといってもテンポはそれほど速くなく、4打ちベースで後半のシンセフレーズが トランスっぽかったりして、ハードコアを聴きなれない人にも馴染めるはず。レイブやNRGの 要素も詰め込んだりして、同バージョン新曲のFlash Back 90'sと近い感じがする。
 序盤の12分連続スクラッチ、後半の白鍵全押し連打などは焦るが、そこを除けば交互っぽい 配置の繰り返しが多く、やや簡単目に見える。ただ終盤に2つ同時押し+スクラッチの連続と 隣接>字階段などがありクリアを阻む。ANOTHERになると単純にバスドラを増やした譜面に なることが多いが、この曲はそうはならず、というよりHYPERの時点でバスドラメインなの だが。ANOTHERはHYPERの難所はほとんど変わらず全体的に密度を上げた譜面に。

"ONLY ONE EURO BEAT" ALL MY TURN -このターンに、オレの全てを賭ける- / SUPER STAR 満-MITSURU-
 コナミから遊戯王のオフィシャルカードゲームが発売されているのは有名だが、その遊戯王を 題材としたネタとして「ずっと俺のターン」という言葉がある。本当にそこから付けたかは 知れないが、意訳するとまさにその曲名となるものが、前作である意味インパクトのある登場を したSUPER STAR 満-MITSURU-氏より作られた。前作に続きハイテンションなEUROBEATと渋い声に よるセリフが特徴的で、前作よりも明るい感じのパートが増えている。しかし同じジャンルで 2曲目なのにONLY ONEとはこれいかに。
 テンポが速めで16分のフレーズが多いのでまず速さに慣れよう。前半は16分3連打の小階段の 繰り返しと、左右対称を含む2つ同時押しで同じリズムを刻むのが譜面的特長。後半はドラムも シンセフレーズも交互的配置が多いが、同色階段にも注意。とくに最後のスクラッチを含む階段の 連続から同時押しで締める部分はひとつ遅れると全然拾えずに終わってしまう。ANOTHERは バスドラが16分トリルになってくるところが多く、ミスを減らすには左手のトリル技術が重要。 序盤の2つ同時押し2連打が続く譜面も珍しい配置で、人によっては片手で連打する方が安定 するかもしれない。また前作のDP ANOTHERは24分階段に悩まされたが、こちらは偏った配置も ないので同じ難易度でもこちらの方が簡単だろう。

"ARABIC HARDCORE" Arabian Rave Night / dj MAX STEROID
 EMPRESS PLACEでこの曲を表しているクレオパトラ(世界三大美女と呼ばれるのは7世)は古代 エジプト・プトレマイオス朝の女王。曲は女王とは関係なく、エジプト周辺の音楽ということで アラビア調の旋律を使っている。それに細かいシンセ音とドラムを加えて、結びつきそうもない レイヴをうまく融合している。シンセの使い方である程度予想はつくが、「DOLCE.危機20連発」 で「これ舐めてクレオパトラ」と発言していることから、dj MAX STEROID=Sota Fujimoriの 可能性が高い。
 bpm180と速い中、前半は交互っぽい16分乱打を叩かされる。24分・32分の同色階段もところ どころにあり、いつでも拾える心構えを。終盤は同時押しが多くなっており、そこをしっかり 叩いてゲージを稼ぎたい。曲の最後はちょっと間があるので、終わったと思って油断しない ように。ANOTHERはかなり詰め込んでいるせいで前半は押しづらい配置が多い。32分階段の 前後が特に押しづらく見える。後半はスクラッチが絡むところのミスを減らしてゲージを 残したい。

"RECKLESS RAVE" B4U(BEMANI FOR YOU MIX) / Remixed by DJ YOSHITAKA with Michael a la mode
 GOLD RUSHのコンビ、DJ YOSHITAKAとマイケル・ア・ラ・モードによる2作目は、旧作の 名曲・B4Uをテンポアップにリミックスしたもの。メロディラインや効果音(車が通り過ぎる ようなスクラッチ音)はほとんど変わってないが、歌詞が全く異なっており、「IIDX」「DDR」 「GF」「DM」「pop'n」とBEMANI機種を羅列するのはGOLD RUSHの再来。もはや稼働しなく なった「ee'MALL」や、曲終了後にスクラッチを回すと「jubeat」なども。ネタっぽいが 疾走感と爽快感は原曲以上だ。
 HYPERでは原曲のようにラストにスクラッチで落としにかかる、といったことはないの だが、bpmが速い上に4打ち+シンセフレーズ、あるいは2重シンセフレーズといったものが 長々続くので、ゲージを保つのはこちらの方が難しい。ANOTHERはV2[SA]と並んで★11最多NOTE数 な上、ラストはスクラッチによる殺しがしっかり入っている。終盤に体力を残せるように 前半は力みすぎないように。DPは16分が片側に寄るものの同色階段がほとんどで、ラストは 右側寄りとなる。

"HOUSE" Bahram Attack-猫叉Master Remix- / 猫叉Master feat.JUNE
 原曲はL.E.D.、PS2ソフト「ANUBIS ZONE OF THE ENDERS」のBGMのリミックス で、L.E.D.アルバム「電人K」に収録されているものをゲーム用に短くしたもの。ただその せいかEMPRESS新曲の中でも演奏時間が長いように思える。原曲とはかなりかけ離れたアレンジ らしく、5拍子的なハープと気だるい感じのボーカルで神秘的な印象を受けるが、ベース音が しっかりした4つ打ち曲で、どちらかというと猫叉Master+名義寄りの曲調だろう。
 4つ打ち+16分、あるいは4つ打ち+裏打ち+αという構成がメインだが、16分は規則性が 見つけづらく配置・リズム共に変則的。中盤は中央に隣接階段がある拾いづらい配置だが、 そのほかは同色階段が多くそこそこ拾いやすい。ANOTHERは不規則度さらにアップで、1鍵8分 連打+16分+αの詰め込んだ配置がラストにあるので気をつけたい。DPも同色階段が多め なので、1357階段はいつでも拾えるように指配置を意識しよう。

"JUMPSTYLE" BITTER CHOCOLATE STRIKER / L.E.D.-G
 他のお菓子曲と比べてやや暗めのこの曲は、名前もチョコレートだけどビターで甘く ない。JUMPSTYLEとはその名の通り飛び跳ねるようにダンスすることを考えて作られた曲の ジャンルで、自然と体がノリやすいリズムとメロディの強弱が付けられている。とはいえ 聴いてみれば、重厚なバスドラに3連符のリズム、中盤にブレークして再度盛り上がるなど、 前作・THE DEEP STRIKERなどのNU STYLE GABBAの構成に似ている。メロディが若干軽めの 音色なのが、お菓子曲なところであろうか。
 冒頭は隣接階段が長く続くが、HYPERは基本4つ打ち+12分フレーズ、加えてスクラッチ。 4小節ごとの終わりにスクラッチは固まっているが、常に取れるように意識していよう。 終盤に24分の短いトリルがあるので気をつけること。ANOTHERはNOTE数が一気に増えて2000に 届くかという1990。12分フレーズが二重になっていたり、リズムパートが二重になっていたりと 詰めに詰め込んでいる。DPはHYPER・ANOTHERの難易度がTHE DEEP STRIKERと似ている印象を 受けたが、同時押し部分をうまく拾えるようにして回復したい。

"HAPPY☆JIG" BRIDAL FESTIVAL !!! / S.S.D. with ななっち
 民族調楽曲ではおなじみS.S.D.による新曲は、bagを思い出させる北欧系の曲調と3連符の リズム(ジグとしては12/8拍子と扱うべきだろう)での楽しい曲。曲名ズバリ結婚を祝う曲らしさが 出ており、ラララしか歌ってないがボーカルも付いており、民族衣装を身にまとった子供たちが 踊っている風景が思い浮かばれる。ムービーは笛を吹いている人と大勢のネズミが行進している ところが、ハーメルンの笛吹き男をイメージさせるが、駆除しているわけではなく幸運を招くネズミ らしい。ちなみにS.S.D.氏はこの曲を作る前後で、飼っていたハムスターに逃げられたとか。
 3連符で同色階段が多く、同じフレーズを繰り返させられる。ところどころ>字の24分があり、 特に隣接配置かつスクラッチが絡むと非常に取り辛い。終盤の配置は2P側にとっては狭苦しく 感じることだろう。ANOTHERはポップンのような三角押しが目立ち、特にラストは123567の6つ 同時押しで締める。その前の24分配置が左右対称で二重になっている、同時押しに絡む連続 スクラッチなど、密度よりも取り辛い配置で難易度を上げている。

"NOSTALISH REQUIEM" CaptivAte2 〜覚醒〜 / e-lma
 CaptivAteと付く曲も浄化・裁き・誓いに続き4曲目だが、ここで初めて2(ドイツ語読みで ツヴァイ)が付いた。いつものボーカルと違う人というのが関係するのだろうか。曲としては 裁きを除いていつもの通りシステムBGMのリミックスで、DJ TROOPERSのオープニング・選曲 画面BGMの"THE FANG"より。人によってはAnisakisのリミックスかとも思えるだろう(という ことはTHE FANGとAnisakisが似ているということか)。曲の構成も前半はコーラス、中盤に ブレイクしてから歌が入るなどいつも通り。
 HYPER前半は少し同時押しを含む同色階段の連続、後半は交互乱打譜面。16分のみのところは ほぼミスなく、16分に4打ちが加わるパートを耐えればクリアできるという、ラス殺しもない 実力相応の譜面。これがANOTHERになると詰め込みすぎたせいで、前半は乱打中の縦連打に 1鍵4つ打ちに割り込む同時押し、後半は左側が窮屈な配置の上、8分連打とスクラッチの ラス殺しと嫌な配置ばかりに。DP ANOTHERは片側16分が多いが、終盤はそれが左側ばかりに なるので、同色配置が多いとはいえ左手が弱い人泣かせだ。

"HAPPY HARDCORE" Colorful Cookie / Lucky Vacuum
 Lucky Vacuumの由来は謎だが、他のお菓子曲がRisk Junk(=dj TAKA)、L.E.D.(-G)となると、 正体はDJ YOSHITAKAと考えるのだが妥当だろう。決めの箇所でシンバルの8分2連打や、 メロディもMAX LOVEに似ている気がする。キャッチーなメロディとピアノのバッキングはHAPPY HARDCOREらしいが、力強い元気さよりはおとなしめで可愛らしさを表現しており、 また一番最後に登場した隠し曲ということと曲の最後がやわらかいシンセ音でフェードアウト していることから、ある意味エンディングっぽい寂しさも感じられる。
 メロディの一部や中盤ピアノのバッキングで16分が出てくるが、基本は4つ打ち+裏打ち+8分 フレーズで、2〜3つ同時押しが長々続く。終盤に極端な難所は無い上に回復もできるので、 同時押しを捌く集中力がクリアに必要。フルコンを狙うには序盤の9連スクラッチが……ANOTHERは やはり詰め込み譜面で、8分地帯だったところは16分で埋められている。AA(A)を密度はそのままに テンポアップしたような感じだ。DPではHYPERからピアノのバッキングが配置されており、 8分地帯ではなく左右違うリズムの演奏が必要とされる。

"BUCHIAGE TRANCE" Cyber Force DJ Yoshitaka Remix- / Remixed by DJ YOSHITAKA
 Sota Fujimoriアルバム「SYNTHESIZED」からの収録。原曲はやはりSotaといえるほど いろんな音色のシンセが使われていたが、こちらは同じTRANCEでもシンセはシンプル。 かといって歌を前に押しているわけでもない(ケロってるし)。やはり一番の聴き所は、中盤から やたら引っ張っているS・O・T・Aコールだろう。ムービーは原曲に引き続きVJ GYOによる 同様の新キャラ、かと思いきや、こちらもリミックスということで別の人が作成したようだ。
 シンセパートは交互配置が多い。歌のパートでは4小節ごとの終わりに小階段があることを 覚えておこう。中盤のS・O・T・Aスクラッチはだんだん間隔が狭くなっていく。鍵盤との絡みも 問題だが、ターンテーブル自体との相性も大きい。ANOTHERは中盤スクラッチ地帯に8分連打が 加えられておりBADハマりが怖いことに。終盤も2つのリズムが異なる16分フレーズに 加えスクラッチもあり、回復どころではない。DPは後半からスクラッチはほとんど左側に来る。 鍵盤がなければ右利き有利だが、スクラッチと鍵盤を交互に取るような配置もあり左手が せわしないことになる。

"MEGA MIX" Flash Back 90's / kors k as disconation
 VJ ARMYのように「1曲に複数のジャンルを詰め込んだ」構成と90年代に影響を受けた音楽を リスペクトしてできた、HAPPY SKY以来のdisconation名義の曲。各ジャンル間の繋ぎを 他に影響されず(VJ ARMYはムービー先行で作られた)、bpmも変化しないので、変化は多いが 違和感なく聴くことができる。後半の静かになってTRANCEパートに移るあたりからはdisconationと いうよりはいつものkors k節という感じだが。ムービーはbeatnation summitより本人の登場。
 イントロを聴くと数値より遅めの曲に思えてしまうが、普通のEUROBEAT並みのbpmだったりする。 序盤は12分や32分の変則的な配置に注意。中盤はスクラッチが多く、特に最後は5連続になって おりフルコンボを目指す時の最難所。クリア狙いなら終盤の右上がり3連階段の繰り返しに かかっている。ANOTHERは終盤にSOLID STATE SQUAD[SA]の終盤を少し簡単にしたような、 左側16分+右側αという配置があり、左手が苦しい。DP ANOTHERだとこの難所の+αが 無く、16分地帯の長さも短いため、★10の中では簡単な方と思われる。

"DREAM TRANCE" Fly Above / Sota Fujimori
 Sota Fujimoriアルバム「SYNTHESIZED」で先にEMPRESS収録が確定していたという曲。 ボーカルものだがケロって(加工してデジタル音声っぽくさせる)はおらず、シンセもバリバリ 使われるというよりはあくまで伴奏として用い、歌をメインとするすっきりとした構成に なっている。サビの最後の歯切れ良さが小気味いい。ムービーは3Dで空を飛んでいる感を 表しており、空間の広がりや歌詞のタイポグラフィ演出など格好よく美しい出来である。
 フルコン狙いだといきなり鬼門の冒頭スクラッチだが、後はつなげやすい。4打ち+(偶数拍 スネア)+シンセフレーズの構成で、同時押しは多めだが8分がほとんどなため、スコアも 稼ぎやすい。ANOTHERは3つ同時+スクラッチの連続や、8分で3〜4つ同時押しが頻発する。 それでも似たパターンの繰り返しになるので一つ覚えればつなげられるようになる だろう。DPはHYPERから4打ち+16分を含むフレーズを片手で叩く部分があり、ところどころで ミスが出てしまいそうな譜面だ。

"TRANCE CORE" Go Beyond!! / Ryu☆ Vs. Sota
 beatnation recordsのコラボレーション企画で生まれた曲の1つ。動→静→動の展開の どこか神聖な雰囲気を持つTRANCE COREである。とはいえRyu☆は今までいくつかTRANCE COREを 提供していたせいか、Ryu☆色が濃すぎてSotaらしさが掴みづらい。公式コメントによれば 前半のメロディはSota担当らしいが、シンセの空間の広がり方を聞くにこれも彼によるもの ではないだろうか。ちなみに冒頭の「Go beyond」を除く男性の声を逆再生すると、 「COLLABORATION R-Y-U S-O-T-A」と喋っているという隠し要素もあり。
 曲が動→静→動なら、譜面もまたしかり。HYPERの時点でいきなりバスドラ+2つ 同時押し+スクラッチの連続という高密度から始まりこれが続くのかと思いきや、 中盤はいきなりスカスカになる。そして終盤はまた同時押しか16分乱打と忙しさが戻って くる。ANOTHERはこの忙しい部分がさらに強化されており、冒頭数小節もさることながら、 後半8小節は2重16分乱打+4打ちをbpm200で拾えという無茶な譜面。終盤にかけては 回復できるとはいえ、HARDクリアや段位ゲージとなると非情な難易度となる。

"HOUSE" HOUSE NATION / ravex
 ravexはMondo Grossoの大沢伸一、Fantastic Plastic Machineの田中知之、m-floの☆Taku Takahashiという豪華メンバーによるユニット。彼らがHOUSE NATIONのテーマとして作った この曲は、元m-floのLISAをフィーチャリングしたもので、古参IIDXプレーヤーにとっては 嬉しい配役。冒頭はサンプリングボイスでDJらしい編曲だが、その後は普通のボーカル曲に。 他の版権EUROBEATやTRANCEなどと比べると少し古臭い曲調に聞こえてしまうが、これが今 クラブミュージックとして流行っているHOUSEであるのだろう。
 冒頭はスクラッチの連続で焦るが、その後は普通のスクラッチ配置。前半に1回、ラストに 2回続けて流れるサビのパターンは似たような配置で、ここができればクリアはできるといえる。 1小節目は8分同色同時押し、2小節目は16分混じりでキックのリズムに変化あり、 の繰り返し。ANOTHERもその構成に変わりはないが、他の部分の密度も上がっているため 全体的にミスを減らす必要がある。リズムパート(キック・ハット・クラップ)がほとんどで 叩くことになるため、5パート同時演奏なんてところも。

"MORNING FULL ON" HYPERION / L.E.D.
 フルオンはBPM速めのサイケトランスで、モーニングはこの場合は朝太陽が昇る時間ではなく 午前4時頃とのこと。HYPERIONはギリシャ神話の神や土星の衛星の一つの名前などで使われており、 作曲者としては「ハイペリオン」または「ヒューベリオン(この読みだとSF小説の戦艦名に 限定されそうだが)」を推奨している。意味や綴りから考えるとCS 10thのIXIONと繋がりが ありそうで、やわらかめのシンセ音で神秘的な雰囲気を作り出しているのも共通項である。
 16分で小階段が延々と続くが、同色階段がほとんどで叩きやすさはある。スクラッチが絡む ときと、ドラムロールのトリル+スクラッチでミスを減らしたい。ANOTHERはそのトリル部分に 8分連打が加わり、BADハマりが怖い。他の部分は4打ちが増えたのがほとんどだが、終盤にΛ字な 小階段の繰り返しが配置されているのが特徴。DPも同色階段が多く、鍵盤の難所でスクラッチが 無いのは良心的だが、ANOTHERのあまりに同色階段すぎるのもどうか。

"TECHNO POP" I'm Screaming LOVE / Creative Life
 DJ Yoshitakaと、学生時代からの友人・TSU-NAの2人によるユニット。曲名はアイスクリームと 掛けており、電子的に加工された歌の内容もアイスクリームをイメージさせるような単語が 現れるが、その歌詞担当はIIDXではおなじみになりつつあるS.S.D.。曲全体としても電子音一色 だが楽しくなる曲調。ムービーはスプーンを持ったリス……ではなくシロクマの妖精2匹と エプロン姿の女の子2人で、smooooch・∀・に勝るとも劣らないかわいさを表現している。 ちなみにムービーのイラスト担当はbreathlessの人だったり。
 新曲では簡単な部類の曲。HYPERの難所としては、Bメロの同色16分階段の連続と、 エンディングパートの2つ同時押しが続くあたりだろうか。ANOTHERもその2箇所が特に強化 されているように見える。DPは16分はもちろん、8分でも同色階段が目立つ。前半右側の、 6・7鍵に寄った配置はクリアに支障は少ないがちょっと難しい。DP ANOTHERは両手とも親指 から小指まで全部使わないといけない横に広い配置となっており、曲調に対してより 難しく感じる。

"MIXTURE" Jack / DesQ
 pop'n music 10からの移植で、同作品からHAPPY SKY時に移植されたこちらもコラボ曲のVotum stellarumと比べると随分遅い移植。またそのコラボアーティストはDes-ROWとTaQで、TaQ曲が 新たにIIDXに加わるのは10th style以来となる。BIG BEATのリズムに低音ギターを効かせたり、 叫びまくってたり(本人たちのものらしい)それを細かく切ったりと、Distressに似た曲調。 なおEMPRESSではChangesが復活し、5鍵曲を除けばTaQは現行IIDXで全てプレーできるという ことになる(リミックスされた側であるtracesは除く)。
 テンポは遅いがその分密度は濃い。前半は端に寄った隣接交互配置や、中盤の2つ同時 連打+αはBADハマりしやすく、★7ではかなりの難度。その後少し回復できるとしても、 ポップンの方でリズム等を知っていなければ1レベル上に感じるだろう。ANOTHERは全体的に 密度は増えるが、やはり難所は同時押し連打地帯。特にHARDクリア狙いの人は苦労する だろう。DPは全体的に同色配置が多く、縦連打地帯は分割具合でやや簡単になっている が、HYPERの中盤、ANOTHERの終盤に大階段が連続してあるのがいやらしい。

"HARDCORE" JEWELLERY STORM / L.E.D.-G fw.Eriko Tanzawa
 L.E.D.アルバム「電人K」からの移植で、テンポの速い明るい曲調のHARDCOREは曲名から してもLOVELY STORMの続編のようだが、前作と違い歌がある。PHOTONGENIC・DAWNを歌った堀澤 麻衣子が歌詞を担当し、その教え子のが今回のボーカルを務めている。聴けば確かに歌い方は 似ているが、曲の明るさがなどからAir Bellを歌ってる人に似ているようにも聞こえる(おそらく 別人だが)。ムービーはポップンのような線のキャラクターが出てきて目に留まりやすい。
 序盤はかなりリズムの取りづらい交互打ちがあり、速さもあいまってBADが出やすい。 しかしAメロからはほぼ8分のみ、サビからも4打ち+シンセで同じリズムの繰り返しに なり光らせやすくなる。ANOTHERも同様だが、サビからのバスドラが4小節ごとの終わりに 変化があるのと、裏打ちの3拍目にオブジェが割り込んでいたりするので気をつけよう。 ラストの1鍵8分連打はBADハマりするとやっかいだが、他の部分も8分しかないので ハマることは少ないだろう。

"NU SKOOL BREAKS" Just a Little Smile / Sota Fujimori
 同作曲者ではDistorteDのWinning Eleven9 Themeと曲の入りの雰囲気は似ており、 ブレイクビーツに重ねてギター音を強調し、藤森氏得意のシンセを細かく散りばめている。 しかし肝となる部分は後半からの女声ボーカルと高音シンセフレーズ、そして連続スクラッチ音。 アングラな雰囲気でも軽快に聞こえ、爽やかな印象されも受ける。ムービーにガラス調の 立方体が出てくるが、こちらの方がIceCube Pf.に合ってるような気もしたり。
 何はともあれスクラッチ地帯。よく見れば8小節をセットにして前半1回、後半2回は どれも同じスクラッチパターンなのだが、HYPERではそれは気にしなくていいだろう。 前半は後ろの4小節が鍵盤が多めで難しいが、後半はほぼ片手で取れる範囲なので楽。2P側は 親指で7鍵くらいは取れたほうがいいだろう。ANOTHERはBLUE MIRAGEと並ぶ256枚の スクラッチが襲い掛かる。このときパターンを覚えているとかなり楽になる。8小節の うち前半は多くて16分2連までしか出てこない。ただスクラッチだけでなく鍵盤も一気に 増えており、特に32分交互は咄嗟に押せないので場所を覚えておきたい。

"ASIAN JANGLE" Kung-fu Empire / 飛燕流舞
 ジャンルの「JANGLE」は「JUNGLE」のスペルミスではなく、(銅鑼などを)ジャンジャン鳴らす という意味と思われる。EMPRESS PLACEでのこの曲は楊貴妃(中国・唐代の皇妃)とされるが、 曲名は「功夫帝国」。中華風の音階に乗せた軽快なフレーズが、あたかもカンフーをしながら 舞っているイメージを思い浮かばせる。全体的に音量は控えめな分、ベースの旋律もよく聞こえる。 関係ないが「飛燕流舞」で検索すると、北斗の拳の登場人物で南斗水鳥拳の使い手・レイの 奥義が一番多くヒットするが、ここから付けられたアーティスト名なのだろうか。
 隣接階段が少し、同色階段・同色同時押しがほとんど。序盤にあるスクラッチが小節線 から16分ズレた感じで配置されているためここでミスが出やすい。ラストはULTiMΛTE等と 同様に、bpmは変わらないが間隔がだんだん広がっていくことで遅くなって終わっているのを 表している。ANOTHERは16分ズレスクラッチが増えており、前半には8分縦連打、中盤には 隣接同時押しの階段、終盤は隣接24分階段を含む詰め込んだ配置が長く続く、どこを取っても 難所ばかり。DPはやはり同色階段と同色同時押しが多く、スクラッチが少ない鍵盤に 集中できる譜面に。

"宮廷円舞曲" Marie Antoinette / Marguerite du Pré
 フランス・ルイ16世王妃、マリー・アントワネットをモチーフにした楽曲。ジャンルにある ように、宮廷の優雅な暮らしをイメージした3拍子のワルツになっているが、曲の終盤には テンポアップし、フランス革命による幽閉、そして処刑という波乱に満ちた彼女の人生が表現 されている。どちらかというとop.31 叙情と同じくIIDX向けではない曲調で、聴くための音楽。 ムービーでは影絵で、前半はワルツを踊る貴族たち、後半は旗と武器を持つ軍勢と逃げる 男女が描かれている。
 隣接階段が多い譜面。bpm200超なので8分でも割と忙しいのだが、12分・16分といった さらに速い階段や、24分>字配置もあり、素早い指の動きが必要となる。終盤はbpm248に 加速し、スクラッチを含む同時押しがやっかいである。ANOTHERは中盤の12分階段が長くなって おり集中力が問われる。だがやはりクリアにかかわる終盤の加速地帯が重要で、ラストが 2つ同時押しの連打の後に全白鍵+スクラッチ×2と、押し損ねると一気にゲージを落とし かねない譜面で締めている。

"ELECTRO-TECH" Mind Mapping / Ryu☆
 一つのキーワードから、それに連想される言葉を繋げることで発想を伸ばすことをマインド マッピングという。それを音楽で実践したというのがこの曲の由来らしい。Ryu☆でも哀愁系は 珍しくないが、電子音一辺倒なこの曲を初めて聴いたときは作曲者を疑うことだろう(in motionの時にも近い感想はあったろうか)。それでも印象に残るメロディ作りはさすがと いうべきか。ポップンの「メランコリー」などを好きな人は気に入るだろう。
 4つ打ち+偶数拍クラップ、メロディラインは全て8分でテンポは速くない。3つ同時押しが ところどころ出てくるくらいだ。ただ中盤の7鍵変則リズムにスクラッチが絡むのが 取りづらい。ANOTHERはその部分の鍵盤がかなり増えているほか、ラストもスクラッチが 増えておりややラス殺しに。16分4連スクラッチも出るなどフルコンを狙うのも容易では ない。DPの中盤は白鍵しか出てこないところがあり、親指から小指までしっかり使えないと 拾えない。

"EUROBEAT" Monkey Dance '09 / Y&Co. Feat. DOMINO
 8thのY&Co.曲・Monkey Danceのセルフリミックス。SUPER EUROBEATの歌姫と呼ばれるDOMINOは、 IIDXではPARAPARA PARADISE(6th)以来となる。曲的には構成は大きく変わらず馴染みのある フレーズや音色だが、原曲がシンプルな構成だったのに比べてこちらは細かい音色や効果音が 追加されており豪華さが感じられる。公式コメントに"beatmania Edit"とあるように、 他メディアでは"SUPER EUROBEAT MIX"で収録されているものが発売されていたり、SUPER EUROBEATにも収録予定など、原曲と同じくグローバルな展開を見せている。
 メインシンセパートは16分ラッシュだが、交互配置が多いのが特徴。原曲ではサビの後半 から16分階段となっていたが、こちらではそれはなく4打ち+8分同時押しが続く。ラストに 拡張されたパートはリズムが変則的だが、シンセの同時押しと考えれば叩きにくくはない だろう。ANOTHERはシンセパートに4打ちが加わって、交互で叩けなくなり難しくなる。 特にラストは左側に寄った配置が目立ち左手の動きが重要に。DP ANOTHERは16分シンセが片側に 寄るが、交互配置はそのままなので割と叩きやすい方だろう。

"TRANCE" MY FUTURE / PINK PONG
 PINK PONGではおなじみのDREAMシリーズではなく、似ているがFUTUREという単語が使われている。 夢(DREAM)というと漠然としており実現の可能性が低そうだが、未来(FUTURE)とすると自分から 実現させてやろうという意志がこもっているように聞こえる。ムービーはそんなイメージを 具現化したのか、女の子がキレイになろうと努力している姿が見られる。今の姿が豚っぽいのは 極端だとは思うが……そのせいか、曲の前半で英語での豚の鳴き声(oink)と言っているように 聞こえるところがある。あと最後のカットは吹いたら負け。
 譜面密度の緩急が激しい。HYPERは後半に4打ち+2つ同時押しの連打が密度が高く、小節後半の リズムがややつかみづらい。スクラッチが加わると叩きづらくもなる。その後は4打ち+16分混じり の階段。ANOTHERになると後半の同時押し連打がなくなっており、ほとんどが16分乱打に。それも 4打ち+裏打ちが加わっている。DP ANOTHERは片側16分階段はもちろんのこと、4打ち+16分が 片側にあったりして、新曲★10ではかなり上位の難度となっている。

"TECH-BREAKBEATS" naughty girl@Queen's Palace / DJ Mass MAD Izm*
 naughty=やんちゃな、と訳するとかわいいが、みだらなという意味もあったりする。 近作のスクラッチ要員ともなっているDJ Massの新曲は、Digitank Systemを踏襲した繰り返し リズムの多いスクラッチ曲。メロディと言えなくも無い程度の1フレーズが最初から最後まで 繰り返されており、ミニマル度合いは前作以上だが、テンポが速くなっているせいか軽快で ノリは良い。もちろん連続スクラッチも聴き所だが、この曲もゲーム性、演奏感に重きを置いた 曲作りをしたのだろうと思えてくる。
 HYPERの時点で229枚のスクラッチ。前作・前々作よりもbpmが上なのでターンテーブルを回す のもより小刻みにしなければならない。最初の連続スクラッチ地帯は、スクラッチ音の一部が 鍵盤に割り振られているため、鍵盤とターンテーブルを交互に拾う感じになる。後半のスクラッチ 地帯は一部16分があるものの8分がほとんどなので、等間隔に押し引きしよう。Digitank Systemと違いラストもスクラッチが多いので気をつけよう。ANOTHERはまたもや記録更新の292枚。 難化したスクラッチ地帯の鍵盤はそれほどでもないのが救いか。DP ANOTHERはついに300を 超えた304枚のスクラッチが。

"ENERGETIC TRANCE" neogenesis / DM Ashura
 DM Ashuraは阿修羅と日本っぽい名前だがアメリカ人。北米版DDR等に楽曲提供しており、 日本のBEMANIとして初登場はこの書き下ろし曲である。ジャンルはNow and Foreverと同じだが、 それよりもSTAR FIELDの方が近く、リズムパートは大人しめで、ピアノ等高音パートが 主旋律を奏でるいわゆる泣きメロの美しい曲調。ちなみに曲名がエヴァンゲリオンっぽい(Neon Genesis)が、こちらはneoの後ろにはnは無く、「新生」という意味の1単語である。
 メインフレーズが16分3連で始まることが多いため、そのような細かい階段が多い。特に スクラッチと重なる部分では取りこぼしが多くなるので注意しよう。終盤に同時押しがやや 多くなるが、局所的に難しいところもない平均的な難易度。ANOTHERになると中盤に同時押し 中に16分3連打があったり、終盤に32分ズレ+スクラッチとの同時押しなど、取りづらく ミスが出てしまうする配置が頻出する。DPはSPに無いパートの配置があり、16分の同色階段が 一気に増えている。終盤には対称譜面も。

"DANCE MUSIC OF SORROW" NΦ CRIME / C×F
  宮部みゆきの小説「クロスファイア」を元に携帯サイト・週刊コナミでWebコミックが連載 されており、その主題歌として前田尚紀が作曲した。アーティスト名はCross Fireの頭文字から きており、ムービーも物語の登場人物が漫画調で描かれている。いつも分岐曲はjun曲という相場 だったが、今回はこの曲が英語版と日本語版の2つに分岐している。ちなみに同曲はDDRフルフル パーティにも収録されているが、ボーカルがIIDXのとは別の人である。
 サビからは音を聞けば16分3連の連続……のように思えるが、SPは4打ち+8分だったり 4打ち+裏打ち+2つ同時押しだったりと配置がコロコロ変わる。サビの2周目は16分乱打が休み 無く続くところも。ANOTHERになるとさらに配置が変わり、16分に休みができる代わりに右に短い トリルが何度も出てきたり。一方DPは音色通り、同色階段で16分3連が長々続く。DP ANOTHERは 3連じゃない方に4打ちなどが加わっているだけなので、がオブジェが増えた分をしっかり 取れるなら、3連が苦手な人はANOTHERの方がクリアしやすいのかも?

"HOUSE" Our Song / Shinichi Osawa
 Mondo Grossoの大沢伸一が、大沢伸一名義で初のアルバムに収録された曲の1つ、Our Song。IIDXではサブタイトルは付いていないが、HOUSE NATION editと称されたものが 収録されている(そのためHOUSE NATIONのロゴが表示される)。冒頭のコーラスが伴奏が 無音なため民族音楽なのかと一瞬思うが、World Wide Loveに似たドラム音・アコース ティックギター・男声ボーカルの少し哀愁と懐かしさが漂うポップスである。
 8分と16分がはっきり分かれている譜面。8分縦連打は短いものの、真ん中にあって+左右に オブジェという配置なので拾いづらい。16分はほとんど隣接した同色配置になっておりテンポも 速くないので拾いやすいだろう。ANOTHERは16分地帯に2拍ごとにスクラッチが加えられ、16分 配置は右側に寄っているため2P側は右側が狭苦しくなる。DPだと後半に8分縦連打が あり、ANOTHERだと前半にも縦連打が長々配置されている。同時押し・16分とも同色配置が多く、 スクラッチは少ない。

"PSY TRANCE(FULL ON)" Programmed World / kors k as StripE
 今作の通常EXTRA曲はkors k作。FULL ONは猫叉Masterとの合作「Chain of pain」で やっており、この曲も慣れた感じかと思いきや、本人は(好きなアーティストと比べると)まだまだ 未熟と感じるところがあるらしい。ただ冒頭の音色の変化などはIIDXでは聴いたことがあまりなく、 今後の同系曲の成長も期待できる。曲の後半には声みたいな音がブツ切りされているが、 これは「ディレイ・ラマ」というお坊さんをモチーフにしたフリーソフトのシンセサイザー によるものである。
 4つ打ち+隙間のある16分乱打、後半は4つ打ち+2つの異なるリズムのパートを叩くことに なる。静かな部分は簡単になるが、それ以外のところは特に一部分だけ難しいということはなく、 平均的な難易度のためクリアは安定しやすいだろう。ANOTHERは後半のディレイ・ラマが入る あたりから密度が高くなる。その最初はスクラッチが連続しているが、その後は鍵盤に 集中。DPはHYPER・ANOTHER共に同難易度の中でも上位クラス。HYPERの方はラスト数小節が 特に難しく感じる。

"PSYCHEDELIC TRANCE" PSYCHE PLANET-GT / Remixed by L.E.D.
 Sota Fujimoriアルバム「SYNTHESIZED」からの収録。原曲はpop'n music 14 FEVER!の「Psyche Planet-V」で、V-Synth XTで作られたから-V。一方リミックスではV-Synth GTが使われた ため、曲名も-GTとなっている。低音をきかせてメロディらしいフレーズを排除し、ひたすら 細かいシンセの刻みでダークな曲調を突き進んでいる。パート終わりでバスドラとシンバルが 同時に連続して鳴る演出は、L.E.D.のTRANCE曲ではおなじみだが格好良く決まっている。
 前半は休み無い16分乱打、中盤ラストには長いトリル+スクラッチ、終盤は4打ち+裏打ち+低音 パートと常に集中力を途切れさせない力が必要。また鍵盤同時押し+スクラッチの連続もあり、 一つミスすると大きくゲージを減らしかねない。ANOTHERは前半16分地帯に4打ちが加わるなど 全体的に密度は増しているが、ラスト数小節はあまり変わってないので最後の連続同時押しが 苦手でなければクリアは安定しやすいだろう。DPは対称地帯や同色2つ同時押しの連続などSPに ない譜面が見られる。DP ANOTHERラストはBATTLE+4打ちみたいな譜面で、ラストだけで クリア損ねる人は多いはず。

"E-DANCE POP" Punch Love ♥ 仮面 / 上野圭市(a.k.a.Baby Weapon, DJ SWAMI) feat.星野奏子
 曲名はパンチラとかけているのだろう……いわずもがなKick Out 仮面の続編曲。前作は ちょっと古い時代のアニメ曲という感じがしたが、こちらは少し時代が前進しているように思える。 歌の方向性は前作と同じでちょっと恥ずかしい擬音や語りが入っていたり。2曲目でストーリー性も 固まって、ムービーはKick Out仮面とその偽者、敵役に加えKick Out仮面に憧れるあまりに変身 できるようになってしまったPunch Love仮面など、GYO得意の3Dキャラと設定が登場。GYOによる 男キャラというのも珍しい。
 このbpmで16分隣接大階段・4連階段の繰り返しがところどころ出てくるのは、難易度に対して 難しい。他の部分は4打ち+8分の同時押しが中心なのでそこで回復したい。ANOTHERはかなり 密度が増しており、無理矢理詰め込んだせいで121などの隣接>字配置が目立つ。サビの終わり あたりから16分が減って同時押し中心になり回復できるのが救いだろう。DPはHYPERの時点で 片手16分階段配置が多く、ANOTHERになるとHYPERではトリルだったところがらせん状に配置 されていたりと同じ密度でも難しい配置にしているのがいやらしい。

"BIG BEAT" Queen's Tragedy / 猫叉Master+
 tragedyは悲劇の意味。女王とは優雅なイメージがあるが、反面常人にはない苦労や衝撃的な 事件に出くわすこともあるのだろう、というところから作られた曲である。よって曲調もベースと ドラムの強い曲。ただIIDXではBIG BEATは遅めの曲ばかりだが、この曲はテンポは速めなため、 ドラムパートが軽快に聞こえる。メインとなる民族的フレーズとそれに重なるピアノはBIG BEATらしからぬが猫叉Masterらしい。ムービーはQueen=女王蜂と見立てた3DCG。
 序盤はズレが多いが、ズレてるのはそこだけ。その後は細かいトリルが多目の16分譜面から、 メインフレーズでは24分の折り返し階段+同時押しとなり、押したつもりで拾い損ねるミスが 多くなりそう。ANOTHERはドラムパートが一気に増え、24分に絡む同時押しも増えて いる。DPは24分階段が片側、しかも隣接配置になっている。正規譜面では体感的には左側の方が 叩きづらいが、全体的には右側にあることが多い。★8の他の曲が余裕でもHARDでやると痛い目を 見るかも?

"TECH-PARA" Secrets / good-cool ft. CHiCO
 ユーロ系パラパラというとメロディフレーズがメインとなるが、テクノ系パラパラはリズム メインということだろうか。系統としては前作Be OKと近いが、テンポは落ちて振り付けのある ダンス曲(パラパラ)を念頭に作られた曲。パラパラというとギャル系というイメージが思い つくが、この曲は女声ボーカルが力強い声なので姉御的なかっこいい印象を受ける。実際 ムービーもライダースーツに二丁拳銃を持った強そうな女性キャラがメインになっている。
 SP HYPERでNote数1253はHYPERの★9では一番多い。4打ち+裏打ち+スネア+αといった 多くのパートをHYPERから同時に叩かされる。前半は連続スクラッチ、中盤は縦連打を含んだ 同時押しでミスが出やすい。終盤は割と簡単になっているが、それまで体力を持たせることが できるか。ANOTHERは3つ同時押しの連打や2重階段が何度も登場し、ラストは2重 階段+スクラッチ+裏打ちというBlame[SA]と同等かそれ以上のラス殺しとなっている。DP ANOTHERは逆に前半〜中盤は難しいが終盤はやや簡単になり回復が見込める。

"CANDY RAVE" smooooch・∀・ / kors k
 英語でキス、あるいはキスの音をsmoochとも書く。特にキスの長さに応じてoを複数書く らしい。高音声ネタと繰り返されるフレーズ等の構成はSigSigと同様だが、フレーズから 感じ取れる「かわいらしさ」がSigSig以上とも思える。ムービーもSigSigの赤青黄の3キャラの デフォルメバージョンだけ残して、それが画面所狭しと動き回るのも必見。EMPRESSの 女性(というよりは女の子)的部分を一番引き出した曲・ムービーであり、自信のあるところが 家庭用DJ TROOPERSで先行収録されているところからもうかがえる。
 HYPERではメインフレーズはほぼ8分構成、終盤にスクラッチとの同時押しも多いが全体的に 難易度は平均されておりクリアは易しいだろう。ただ中盤に変則リズムに加え右から左の大階段が 2回ほど現れるので、このあたりでミスが多くなりそう。ANOTHERはメインフレーズのポルタメント が24分階段で配置されており、同時押しやスクラッチに絡むと取りづらい。DPではHYPERから この24分が現れるが、同色階段で左右に分割されており、また中盤の声ネタがほとんどスクラッチに 割り当てられている等SPにはない面白さがある譜面。ただしANOTHERは24分階段が片側に寄った ものばかりなので度々拾いミスが出やすい。

"TECHNO" SOLITON BEAM / L.E.D.
 波形や速度を変えずに伝播する波動をソリトンと呼ぶ。今回のL.E.D.曲はTRANCEでは なくTECHNOで、IIDXではL.E.D.によるこのジャンルは初めてらしい。ただフィルターにより うねるシンセ音は他のTRANCE曲と同様。LIMITEDのような電話のプッシュ音が使われているのも 目立って聞こえる。メロディ部が高音が多いのに対して、バスドラが重く響くという対比も 面白い。ムービーは家庭用L.E.D.曲といえばTa-k、というコンビが定着しつつある。
 LIMITEDっぽい音が使われているだけに2連打が多い。ただ右手が連打の担当になることが 多いので、右利きの人には左に寄っているよりはマシか。もっともDPでは当然左にも連打は 来るのだが……2連打地帯の初めのうちは16分の休符はないということを覚えていれば 繋ぎやすくなるだろうか。終盤は変則的バスドラでBADハマリしないように。ANOTHERは ラスト前までは左側に増えるくらいで右手の連打に何か加わるということは少ない。ラストは オブジェが多く見えるが連打は減っているので慌てずに見ていこう。
 AC EMPRESSに移植された際譜面が変更された。主に縦2連打が複数の鍵盤に分散され全体的に 簡単になっている。特にDP ANOTHERは終盤が簡単になってクリアしやすくなっているのだが、 難易度は最高の★12が付けられている。CSの譜面でも★11が妥当で、AC譜面はそれ以下で あることは間違いない。

"ONLY ONE EPILOGUE" THANK YOU FOR PLAYING / SUPER STAR 満-MITSURU-
 EMPRESSのENDING曲がプレイアブルに。これまでシステム曲のリミックスなどで演奏できるものは あったが、同作中にそのものの曲が出たのは(近い時期にCS DJTのTHE LAST STRIKERがあるが、CSを 除けば)5thのsometime以来となる。ピアノのフレーズを主としてバックに細かいシンセ音が鳴る、 アップテンポの綺麗な曲。曲の終わりには満曲おなじみの男声ボイスが入っている。ムービーは ゲーム中のスタッフロールとほぼ同じものが流れるが、コンポーザーの「SUPER STAR MITSURU」 のところでスローになり名前が光る演出が入っている。
 4つ打ち+8分ピアノフレーズで始まり、16分4連階段が繰り返される。中盤の終わりごろ には間の開いた24分階段の連続、終盤は交互と階段が入り混じった16分乱打の後、スローダウン して終了……かと思いきや、最後のアルペジオだけbpmが加速しているので注意。ANOTHERは16分 階段に4つ打ちが増えているのはありがちだが、中盤終わりの24分階段が休み無く3小節続く 上に、最後に白鍵全押し連打。HARDゲージだと一番厳しい箇所となる。最後のスローダウンする ところはHYPERからほとんど増えてないので回復=ノーマルゲージはクリア安定しやすい イメージがある。

"UK HARD CORE" THE SHINING POLARIS (kors k mix) / Remixed by kors k
 L.E.D.アルバム「電人K」からの移植で、原曲はリミックスしたkors kも自ら指名するほど 好きだという家庭用4th(AC 5th)のEPIC TRANCE。ボーカル曲なのにテンポアップさせているが 歌に違和感は無く、HORIZONやRising in the Sunのような神秘的で、バスドラやベースが響いて いるが疾走感があるものに仕上がっている。歌といえば原曲のゲームバージョンにはない部分も 歌われているので、原曲を知っている人でも新鮮さを感じられるのでは。
 4打ち曲だけど4打ちが配置されている箇所は少なく、メインフレーズのシンセを 叩くのだが変則的すぎて、思うようにスコアが取れない譜面。テンポは速いが単発が多く 密度は少ないので★8ではクリアは難しい方ではないはず。ANOTHERは前半に連続スクラッチで かなり難しくなっているが、後半はあまり変わらずクリアは易い。DPはSPよりも簡単には なっているのだが、やはり不規則なリズムな上に横に視界が広くなるので、よりスコアは 取れなくなるだろう。

"HOUSE" thunder HOUSE NATION Remix / Remix by Sunset In Ibiza (SII)
 thunderのリミックスと言えばdj TAKAセルフリミックスであるINAZUMAがあるが、今回はSunset In IbizaによるHOUSE NATION風のアレンジに。ちなみにSIIの別名義でkors kと共同リミックス をしていたりする。原曲より少しテンポダウンし、硬いスネアと後半から追加された高音 フレーズが特徴。フィルターや効果音で波のような音に聞こえてくるのは名義の通りイビザ風 だからだろうか。サビ前で10秒以上ボーカルの声を引き伸ばしているのも面白い。
 4打ち+ピアノバッキングというのが主だが、ピアノのリズムが変則的なので目押しに 頼ることになる。後半から高音の最初3音がスクラッチに割り当てられており鍵盤とのからみが 拾いづらい。ANOTHERはハットの16分連打も配置するような密集譜面で、特に後半のV字配置が 延々と続くのは忍耐が必要。ラストの同時押しの譜面は特徴的だが、ライン通りに音が配置 されているのだろうか。DP ANOTHERは16分4連階段が片側に延々と配置されており、 何を叩いているのかわからないしBAD連発は必至。

"ELEMENTAL CHANT" Turii -Panta rhei- / Zektbach
 TuriiはTree(木)とかけているのかもしれないが「トゥーリ」と読み、ゼクトバッハ叙事詩の 中では島の名前、あるいはそこにある神樹のことらしい。ボーカルに志方あきこを迎え、 幻想的な世界観をさらに深めている。ムービーはフルカラー・フルアニメーションと今まで のZektbach曲、MAYAムービーの中でも最高峰の質。今までは中世の戦争的な情景が見られたが、 この曲では自然の中で暮らす民族、と場面ががらりと変わっている。サブタイトルのPanta rheiはギリシャ語で「万物は流転する」という意味で、衣装とは関係ない。
 4つ打ち+裏打ちパートと16分or12分階段がかなりはっきり分かれている。特に中盤の12小節 続く16分乱打が一番の難所になるだろう。その後の24分階段も注意したい。ラストは12分なので 若干余裕は感じられる。ANOTHERは序盤に隣接中心の長い階段、中盤の16分乱打には+4つ打ち、 その後には隣接24分階段と階段の難所のオンパレード。ただラストは同時押しが少し強くなって いるがHYPERとさほど変わらないのが救いか。DP HYPERは同色小階段が多い。ラストの片側3連 階段は12分という半端さがあだになって弾きづらいかも。DP ANOTHERは中盤16分地帯やラスト12分 地帯など、左右ではっきり分かれているところが多く片手力が必要。

"PROGRESSIVE" V2 / TAKA
 dj TAKAアルバム「milestone」に収録された「V -conclusion-」のゲームサイズバージョン。 曲開始前の曲名表示でVの字を目立たせたかったため、2が下付き文字なのだろう。ドラム・効果音 以外のメロディ部分が全て弦楽器の生演奏になっている。またVでは時間の都合上省かれている オリジナル後半部分が収録され、逆に前半部分がカットされている。それでも冒頭のドラムロールは 残っており、これがあってのVだと言える。ムービーはバイオリンの演奏をメインに、Vの ムービー素材も使われている。
 HYPERはAC収録最多NOTE数。最初のおなじみのフレーズは白鍵対称トリルでVと同じだが、 終盤は白鍵黒鍵入り混じっている。白鍵が内側に来ているものは叩きやすいが、それ以外、 特に左右対称になっていない配置は叩きづらい。VのHYPERより難しいと思う人が多い だろう。ANOTHERはB4Uリミックスと並んで★11最多NOTE数。中盤のV2追加パートからが密度が 高く、HARD時は一番の難所となる。その後は密度は高いが単調なので回復でき、終盤はV ANOTHERの最難所(69小節目)とラストが簡単になっており、ノーマルクリアは★11相当か。DP ANOTHERは終盤の2重トリルだったところが交互階段状になっており、4つ打ちも加わって 見た目にも難しい。

"90's RAVE" Y&Co. is dead or alive / Y&Co.
 90年代に流行したレイヴとして「James Brown is Dead」という名前の曲があり、多くの リミックスがなされた。そのうちの1曲に「James Brown is Dead or Alive」というものがあり、 それがこの曲名の由来であろう。いかにもレイヴなシンセ音によるフレーズが繰り返される一方、 エレピの硬い音が入り雰囲気がガラリと変わる。そして加速……連呼される「ミュージック」の 声はAttack the musicを思い出させるが、曲名である「Y&Co. is dead or alive」の声ネタも 格好よく印象に残る。
 基本的にbpm145だが中盤で徐々に加速し、約6倍のbpm876にまで上がる。ただ速いところは オブジェは少なく、1鍵から順に配置されているので覚えやすい。Hi-Speed調整するのは交互 打ちがなくなってから、もしくは全くやらなくてもクリアに大きく影響はしないだろう。bpmが 戻った後、終盤はスクラッチが多めなのでここのミスを減らすようにしたい。ANOTHER譜面は、 CANNON BALLERSで復活した際に家庭用EMPRESSの黒ANOTHERに置き換わっている。 加速地帯の鍵盤が増えているので終盤にゲージを残すのが難しく、さらに終盤のスクラッチ地帯の 鍵盤も強化されており、加速地帯の回復どころではないだろう。

"ONLY ONE TECHNO" You'll say "Now!" / BLACK STAR 幸広-YUKIHIRO-
 beat #1終了時に条件隠し曲とは別で1曲だけ出現したのがこの曲で、SUPER STAR 満のライバル的 位置づけ?で登場したBLACK STAR 幸広。曲名は、pop'n music 16 PARTY♪の「LOVE☆BA☆ZOOKA!」 でのネタ「許せない気持ちになってきた」を文字ったものと思われる。満曲と同様にそれを声に した部分もあるが、概ねは硬派なテクノ曲。展開はあまりなく、曲の長さも他の曲と比べてやや 短いため物足りない感はあるのだが、スクラッチ音が曲中にちりばめられているのが特徴。
 SP ANOTHERよりもSP HYPERの方が中盤のスクラッチが多いという変わった譜面構成となっている。 その前のパートでは乱打中の2連打が多く拾い損ねが発生しやすい。終盤は16分3連階段の 繰り返しで、1鍵8分連打+になっているところが一番の難所。ANOTHERはスクラッチが少ない分 鍵盤密度が一気に増え、特に8分連打が絡むところがBADハマリしやすい。DPは難易度通り 鍵盤・スクラッチが増えており、ANOTHERの終盤は8分連打の変わりにBATTLE、 もしくはBATTLE+MIRRORな譜面が現れる。

"ポップス" 山岡晃の「クイズ!家事都合!」 / AKIRA YAMAOKA feat.喜屋武ちあき
 グラビアアイドル・喜屋武(きゃん)ちあきを山岡晃がプロデュースした、不思議だが 艶かしいボーカル曲。何がクイズでどの辺が家事都合なのかはよくわからず(16セグメントの 曲名表示には「AKIRA YAMAOKA」とだけ出る)、曲名とイントロの音色からまたネタ曲かと思いきや、 歌いだすと曲は真面目だということに気づく。黒の長髪・白いワンピースと、翼のムービーの 小林ゆうと同じ格好だが、こちらは色気を前面に出しているように見える。もしかしたら 狙って翼と対になるようにムービーを作ったのかもしれない。
 前半はシンセが16分でらせん状に配置されているのが繰り返され、この配置が苦手な人も多そう だが、HYPERでは前半のみ。後半は同色が続きやすい16分乱打や、交互乱打な配置で同じ密度でも 拾いやすいのでは。ANOTHERは前半のらせんが左右対称で2重になっており、他も隣接16分 階段+αの配置が拾いづらい。曲調のせいか遅めに感じるが、革命のbpmと同じと考えると 階段がきついと思えるだろう。DP ANOTHERではSP HYPERのらせん配置が片側に何度もでてきて、 特にラストは左側ばかりなので左手が動かないとクリアはきつい。

"DRAGON'BASS" アタックNO.3 / IDEA NOTE
 ドラムンベースではなくドラゴンベース。なんとなくドラゴンのように強いベース音で 作られた曲というイメージになる。曲名も某スポーツアニメっぽいけどおそらく関係なく、 ひたすらダークで硬派な展開が続く。ドラムン〜ではないのでドラムパートはそれほど 凝ってはおらず、低音のシンセが細かくフレーズを作っている。公式サイトの曲コメントでは ミッドナイト堕天使と同じ文章が書かれているため、IDEA NOTE=Dr. Hondaと思われる。
 スクラッチは後半に少しあるだけで、ほとんど鍵盤に集中できる譜面。16分は同色配置で、 終盤を含めほとんどが8分で構成されており、速めのテンポに慣れればクリアは安定 しやすい。ANOTHERになると8分同時押しや16分乱打が一気に増えせわしないことに。 それでもスクラッチは増えていないのはありがたい。DPは片側に短いトリルが頻出し、 テンポが速いためミスが出やすい。DP ANOTHERはさらにトリル度が増して指が つりそうになる。

"HARDCORE" 不沈艦CANDY / Risk Junk
 お菓子曲解禁前の出現条件として、SPなら★11以上、DPなら★10以上の該当曲を正規HARDでAAA、 というものがあったが、この曲ではその該当曲にスコアが出しやすいKEY[SP ANOTHER]があったため、 他の2曲より出せる人は多かっただろう。Risk Junk(=dj TAKA)なのになぜL.E.D.の二つ名である 不沈艦か?というと、L.E.D.が飴をなめる姿を見て可愛かったところからイメージして作られた 曲だかららしい。曲構成は前作・Candy Galyと似ており、序盤と終盤のめまぐるしく愉快になる メロディの間に、中盤でゆったりとしたクラシックっぽい展開になる。中盤からピアノが入って くるのも同じだが、この曲ではやや控えめか。
 序盤からあるメインフレーズは8小節を1セットとして、7・8小節目に同色螺旋階段を 含む16分で素早い指の動きが求められる。後半の同色だが異なるリズムの2ライン+αは互いの 位置関係を見極める必要がある。ラストはスクラッチとの同時押し連打になっているので押し 損ねないように。ANOTHERは前半に細かいトリルだらけの上ブレイク前は二重トリル、後半は 密度もさることながら隣接16分・32分階段と純粋に叩きづらい配置も。DP ANOTHERは★11だが、 ラストの螺旋階段あたりから難しく、★12のCandy Galyよりも難しく思える。

"HOU-ROCK" ハリツヤランデヴー / Des-MASTERS
 ハウスとロックでハウロック、というよりは「邦ロック」と読むのがジャンルとして正しいか。 それほど速くない4つ打ちで打ち込みっぽいが、楽器構成は ロックでちゃんと演奏しているというありそうでなかった曲。Aメロで3/4や7/8の変拍子を 使うことでリズムに違和感を持たせることで逆にそれで気になる曲と思わせる。歌の方は A〜Bメロあたりはダラダラした覇気のない聞こえかたがするが、サビでようやく元気が でる曲になる。ムービーはDes-ROWともう一人のボーカル(よっさん)がこれでもかというくらい アピールしてくる。
 DP全てとSP NORMALはスクラッチがない譜面。SP HYPER以上もスクラッチが出るところは限られ ており、似た配置が続いている。ただサビ後のスクラッチ地帯はクリアに関わるのでミスを減らす ようにしたい。その他は4打ちベースの8分同時押しの中に16分が混じってるが、鍵盤に集中 できるので拾いやすいだろう。ただANOTHERになると16分が左に寄って1・2鍵あたりが狭苦しい ことに。また4つ同時押しも頻繁に現れて押し間違いが命取りとなる。

"ESOTERIC SPEEDCORE" 卑弥呼 / 朱雀 VS 玄武
 EMPRESS PLACEはその名の通り世界の女王・王妃とされた人物をモチーフに曲が作られたが、 真のONE MORE EXTRAは日本が倭と呼ばれていた時代の女王。全体的に和風を意識しつつも、卑弥呼 の時代を考えると逆に和風になり過ぎないようにと考えて作られたらしい。曲全体のメロディ を奏でるピアノは玄武(wac)が担当したが、高速テンポにフレーズ終わりのドラムのリズム、 おなじみの鳴き声のような効果音など、曲だけ聞けば朱雀(DJ YOSHITAKA)色がかなり強い。
 HYPERからbpm185という高速で隣接階段の連続、24分トリル、終盤はbpmが半分になる ものの32分階段と、★11の中でも上位クラス。階段中のスクラッチは取れたらいいくらいで 考えて、無理に取りにいって鍵盤がひどいことにならないように。ANOTHERはついに2000NOTESの 壁を超えた2119。16分階段+4つ打ち+裏打ち、3つ〜5つ同時押し縦連打、二重16分 階段+スクラッチ、低速32分+16分縦連打と、どこをとっても難易度は最上級。DP ANOTHERはSPを さらに超える2194NOTESにもなる。

"J-DANCE POP" まほろば / HHH+H
 まほろば(まほら、まほらま等とも言う)とは、「すばらしい場所」という意味の古語。 音色とbpm的にはSo Fabulous !!やDazzlin' Darlin等のブチアゲトランス系なのだが、 曲名の通り和風なメロディ。さらに星野奏子("+H"oshino Kanako)のボーカルが加わり、HHHと しては全く新しい作風に感じられ、新鮮味がある。ムービーは和服で歌っている星野奏子と 扇子を持って舞うDaiのどちらに目を奪われるか。なお、歌詞担当はDaiだったりする。
 Aメロの前とラストにある16分シンセフレーズを叩くのが、HYPER★7としてはやや難しい。 特に終盤はスクラッチが入っているのに気を取られるとミスが増えそうだ。他のパートは 4打ちを基調とした易しめの配置が多いので、十分に回復してラストに臨もう。ANOTHERは16分 パートに4打ちと裏打ち、あるいは4打ちが2つ分加わっており、同難易度譜面の中でも 密度が高い。またサビパートの終わりにある鍵盤の同時押しとスクラッチのリズムが異なっている ためやけに取りにくい印象がある。DP ANOTHERはリズムパートと16分シンセパートがはっきり 左右に分かれているため、片手力が必要な難譜面。

"TRENDY TECHNO" ミッドナイト堕天使 / Dr. Honda
 TRENDY=流行の、という意味の形容詞であるが、公式曲コメントから察するにこの場合は バブル期のトレンディ、つまりよく言えば懐かしい、悪く言えば古臭いという絶妙なバランスを 取っているとも言える。そういうとこの曲名もそこはかとなく……前作の高高度降下 低高度開傘の派手な曲調から比べるとおとなしめ、しかし曲の前半は変則リズム、 後半は高音のフレーズに低音を効かせているなど普通のテクノとは違う味を出している。
 4打ち+16分が目立つのだが、リズムが変則なところばかりで目押しに頼る。中盤の 4打ち+2つ同時押しが2拍ごとに出てくるところからは少しわかりやすくなる。終盤も 同時押しは無いが16分の変則的なリズムでスコアは取りづらいだろう。ANOTHERは前半は やや増えた感はするが、他のANOTHERと比べると極端にはNOTE数は増えていない。交互 トリルだったところに+αされたり、配置が変わってスクラッチが増えたりしているのは 難易度は上がっているが。

"RAGE AGAINST EMPRESS" 天空脳番長危機十六連打 / D.J.SETUP
 一見して読めない曲名だが、D.J.SET UPといえばテクノ、と考えると「天空脳=テクノ」の 当て字であろう。ジャンル名はEMPRESSに対する怒り、というよりもEMPRESS=女性的な曲が多い 中にこのような硬派な曲もある、ということを示したかったのだろう。十六連打とあるが 常に16連打しているような音はなく、これも16作目とかけているのかもしれない。 ドラムパートはテクノらしいのだが、シンセというよりは電子音と表現したい音は これまでのSETUP曲には無い要素。
 4打ち+16分乱打な譜面だが、16分は階段っぽい配置が多くやや叩きづらい。終盤は拍に ズレたスクラッチが連続しており、正確に取ろうとすると鍵盤を拾い損ねやすい。その後の 1鍵連打+階段+スクラッチも難しく、SETUP曲SP HYPER最難譜面だけのことはある。ANOTHERは ズレスクラッチが前半から登場、全体的には簡単なところはそのまま、難しいところはさらに 難しくなっている。DPは基本分割譜面なのだが、DP ANOTHERのラストだけSP ANOTHERよりも オブジェ数が多くなっておりクリアを阻む。スクラッチが少なくなっているのは せめてもの良心か。

"撫子ロック" 凛として咲く花の如く / 紅色リトマス
 作曲はTOMOSUKE、pop'n music 15 ADVENTUREからの移植曲で、ギタドラ、jubeat、DDRと 現在稼動中のBEMANIシリーズ全てに移植されているという人気曲。EMPRESS PLACEを除いてbeat#1の 他の隠し曲を全て出現させた上で最後に登場した。撫子とはむしろ正反対な感じがするが、 和風の綺麗なメロディにロックの演奏が妙にマッチしている。ムービーはギタドラのもので、 それに合わせるのように本来はサントラロングバージョンでのみ入っていた間奏の「やっ!」の 掛け声が入っている(しかもスクラッチに割り当てられている)。
 全体的に同時押し・16分トリルなどが同色で配置されており、密度はあるが多少押しやすい。 サビも交互っぽく叩ける。ただ少しテンポが速めなので、中盤の長い16分階段、 3つ同時押しの連続あたりは見極めるのに技量が要る。あと1回目のサビ終了直後の 同時押しのリズムに注意。ANOTHERは詰め込み譜面で、隣接階段やトリルの中にオブジェが 追加されているなど厳しい配置が多い。全体的に細かなトリルも分布しており、 独特な配置が多く見られる。

"IRON CONCERTO" 鉄甲乙女-under the steel- / Seiya Murai
 曲名を見ると鎧に身をまとった勇ましい女性剣士、ジャンヌダルク的なイメージがあるが、 公式コメントでは束縛のために甲冑を着せられているという設定らしい。つまり鉄甲(鉄鋼では ない)はそういう武器の名でもあるが、ここでは「鉄の甲冑」の略ということか。中世の古めかしい 雰囲気の曲調に細かいシンセ音を取り入れた4つ打ちテクノ曲で、中盤の変拍子的な低音中心の 展開は少し怖いものがある。メインのフレーズと、出力アニメの甲冑の人とがvault of heavenを 思い出させる。
 フルコンを狙おうとすると16分3連スクラッチも気をつけたいが、メインフレーズで小節線 から16分ずれたオブジェも油断できない。中盤の変拍子っぽい地帯は8分同時押し、そのあと>字 3連の連続、4つ打ち+同色3連階段の連続がある。ANOTHERは中盤が1鍵変則リズム+16分交互に なっており、その後の16分3連地帯も余計なオブジェが追加されていて取りづらい。DPは片側 に<字や同色階段が寄っており、クリアはともかくスコアが取りづらい。

"J-TRANCE" / 小林ゆう
 声優の小林ゆうをDJ Yoshitakaがプロデュースした、ややアップテンポで聴いていて 元気の出るボーカル曲。さまざまなキャラクターを担当したことがある彼女だが、ムービーでは 白を基調とした清純なイメージで登場している。ちなみにEMPRESSでは小林ゆうのカテゴリ ボイスが存在し、カスタマイズ可能になる条件は「この曲を30回プレー+フルコン」という、 よほど出したいと思うほど彼女のファンでないと出ないものとなっている。
 4打ち+メロディが基本のオーソドックスな譜面。16分混じりのシンセフレーズは音が 聞こえづらく変則的なので目押しに頼ることになるだろう。サビのあたりはリズムがわかりやすく 同時押しが多いのでスコアを稼ぎやすい。サビ後の間奏は1鍵が4打ちかと思いきや8分混じりに なっている。1鍵=バスドラと思いこむとリズムを崩されることに。ANOTHERになるとここは バスドラの4打ちになる。全体的には細かいシンセ音が配置されており、特に終盤は2拍目が やや詰まっていることに注意しよう。

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