ハイテンションな気分になれる。もちろん、ハイな理由はそれだけではないのだが……
「おはよう七希菜ちゃん、佑馬」
いつもの交差点でやはりこの時間に2人は信号を待っている。俺の声に振り返った彼女は、
嬉しそうに手を振った。
「なんだよテツ、いつのまにか七希菜を先に呼んでるじゃないか」
そう佑馬に言われて、自分でも無意識にそうなっていることに気づき内心驚き。佑馬は頬を
膨らましているが、半分にやけている。正直ちょっとホッとした。
「そりゃ……レディーファーストって言うじゃないか」
「……似合わないなぁそんな言葉、正直に先に目に入ったって言えよ」
距離的には佑馬の方が近かったのに、だ。確かに2人がいるか探したというよりも、
彼女がいるか、だったかもしれない。佑馬に詰め寄られ、七希菜ちゃんに見つめられ。
冷や汗をかきながらも俺は言った。
「……そうだよ」
「あーあ、テツまで七希菜の虜になっちゃったんだなぁ〜」
周りに聞こえるくらいに声を張り上げて言われると、俺も七希菜ちゃんも顔が赤くなってくる。
周りの生徒もジロジロ見だし……そりゃ七希菜ちゃんは学年で一番人気がある娘だろうからなぁ、
だからどうということは無いんだけど。
信号が青になった。佑馬がまだグジグジ言いそうなので、俺は七希菜ちゃんの手を取る。
「走ろう、七希菜ちゃん」
一瞬、手を見、俺の顔を見……今まで見た中で一番の笑顔を見せてくれた。
「……うん!」
彼女を引っ張り過ぎない程度の速さで俺が前を走る。はっきりとにぎり返してくれる手が
温かかった。
「え、ちょちょっと2人ともっ!」
置いてけぼりをくらって、慌てて後を追いかけようとする佑馬だが、周りの生徒の集団に
阻まれてなかなかついて来れない。それを振り返り見ながら、視線を七希菜ちゃんに戻す。
なびく髪が朝日に照らされて金色に光って見えた。俺はこの輝きを守っていきたい、
友情と愛情の中で。
〜千代川 七希菜 編 Fin〜
七:そうですね。あ、七月の七ではなく七希菜の七ですので(^^;
泡:しかし他にあるんだろうか、「親友の彼女を奪うようなストーリー」
七:私が心移りというか、本当の恋に気づくのが遅かったから……先に佑馬君の告白を
断わっていれば、「親友が好きだった娘と一緒になる」という感じになってたのでは
泡:佑馬……じゃない、ユマとナキナはやっぱカップルじゃないと変かな、という
デフォルトからの先入観があって……七希菜が断わることもないかな、と。
七:それでも、唐突過ぎはしませんか?私がテツ君を好きになるというのは……
泡:佑馬よりテツの方が頼りになる、というのはあったかも知れんな。あといろいろ
相談に乗ってくれるテツをいい人と思ったとか。……ここって言い訳の場所か?(ぉ
七:裏話というのもないでしょう……あ、今ふと見たんですけど、76話「試食」で
私の母親が出てるんですけど、デフォルトでは決めてませんでしたよね
泡:ユマはいるんだけどな。まあ全部決めてたらただでさえ多いキャラなのにさらに……
ってことになるので詳細はないです(^^;
七:あと別の人のシナリオでも私たちよく出ますよね、照下さんの話とか
泡:調理クラブ同士だからな。特に164話「益田 恵理」じゃ、あおいの話と言ってなければ
七希菜の話かと間違うほど(笑)実はあれは結構前から決めてた話なんだけどね
七:それに比べて私の話はいきあたりばったりというか……やっぱり一番話作りが
難しかったんじゃありません?
泡:1・2にを争うよな(苦笑)まあ設定だけはいっぱいあったから。勉強できる・料理できる・
性格優しい・血が怖い(笑)
七:さ、最後のは……(汗)
泡:でもやっぱり「佑馬との仲を壊さずに」というのが難しかったかな。172話「絆」
(実は初めて1文字のサブタイトルだったりする)では、七希菜が現れるまで僕も
「無理」だと思ってたくらいだから(ぉ
七:テツ君と同じ気持ちになって書けてたのですね……やっぱり行き当たりばったり(^^;