堂々と、積極的に


 あの告白で、当然だが俺たちのことは学校中に知れ渡った。もちろんマスコミ各方面にも。

この前なんか学校出た途端記者数人が寄ってきて「やまふじあいこさんを好きになった理由は?」

なんて聞いて来るんだもんな……流石に笑ってノーコメントで通したけど。それに俺が好きなのは

やまふじあいこではなく山藤藍子だもんな。

 実家の方にはまだマスコミは来てないらしいけど、親父の仕事がバレるのも時間の問題だろう。

報道を見て親父も慌てて電話してきたくらいだからな。でも親父は関係ない。俺と藍子との

間のことだから。

 

「テツ〜!」

 放課後学校を出ようとすると後ろから大声。周りの生徒はみんな俺と声の主――藍子に

注目する。

「ねぇ今日アイス食べに行かない?」

 いつか一緒に食べにいったアイス屋へだろう。そろそろ暖かくなってきたことだし。でも……

「今日、仕事は……」

「今日はオフなの」

 彼女が芸能界で活動している以上俺たちの付き合いの時間は、普段は学校でいる間しかないが、

たまに彼女の仕事がないときだったりすると自然と嬉しくなる。

「変装はしなくていいのか?」

「もう公認の仲でしょ?」

 そうだよな、もしするなら俺も変装しないと意味ないし。それに俺たちはコソコソ隠れるなんて

ことはやめたんだ。

「これからは堂々とデートができるね♪」

「ちょっと見せびらかせ過ぎだけどな(^^;」

 周りの生徒は羨ましいか呆れてるかな視線。時々卒業したはずの荒井田の姿も見かけるが、

流石に襲ってはこないらしく、悔しそうに歯ぎしりしている。

 

 街を歩いても注目され。アイスを買うにも並んでる人に冷やかされまくる。オマケに藍子は

メロンココア味なんて変なのを選ぶし。でも自然に振るまっている彼女を見てると俺は嬉しく

なってくる。日本中でただ一人、素の彼女を受け止められているのだろう。

「テツもこれ食べてみない?」

 自分のアイスを舐めていた藍子がそう言ってアイスを差し出す。俺は相変わらずバニラを

頼んだから、違う味のを食べないかとのことだろうが……間接――になるだろ……

わざとやってないか?

「ば……いや、いいよ……」

「相変わらず保守的ねぇ〜、でもテツらしいけどね♪」

 そういって自分のアイスをおいしそうに食べる。俺もあの告白の時くらい積極的でいれたらな

……藍子といたらなれるかも?

藍子

〜山藤 藍子 編 Fin〜


あとがき

泡:デフォルト日本人の一人、藍子のストーリー完結。

藍:その割には日記に登場しないっていうのはどういう了見よ(--#

泡:そういえば(^^; だって瞳由と同様、小説書かなかったら日も当たらなかったキャラだし(ぉ

 それに日記キャラは全員、オリ曲のBGAキャラになってことあるし

藍:もう少し早く が出来てればねぇ……まあ曲のことはおいといて、私の話の

 ポイントはやっぱり「芸能界・マスコミ」ね

泡:テツが芸能人好きとかだったら話になりませんでしたが(笑)藍子側から見ても、

 芸能人芸能人言わない人のほうが興味を持つんじゃないかとね

藍:というかテツって何に対してもクールと思うけど(^^; まあ荒井田って人がテツにちょっかい

 出さなかったら話し掛ける機会もなかったから、その点は感謝しないと、ね

泡:この小説で唯一?完全悪役キャラ。「あいこちゃんは任せた」とか言わせようとも

 考えたのだがガラでないとおもって(笑)

藍:デフォルトの彼は正義の味方なのにねぇ。そういえば私はデフォルトが日本人だけど、

 いろいろネタにされてるような……特に某格闘女王に(笑)

泡:似てなくもないでしょ?(疑)そして61話「インタビュー」の挿絵とかアイスネタとか

 やってみたり。123話「R.H.」は……なんでだろう(ぉ

藍:名前ネタもあったわねぇ、「あいこ」と「あいす」とか、青と藍とか、愛子様とか……

 愛子様ってここぞとばかりの時期ネタね(^^;

泡:1話前(12月1日)の御生まれになった日に書いてりゃすごいが(^^; あとテツのマスコミ嫌い。

 主人公の設定がかなり活用されてるのって、あんまりないんじゃない?

藍:……それが言えるのは、そのテの話をよく知ってる人が言うものだと思うけど

泡:……僕は知らんので(疑)


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